少し前から、ネット上で「スイーツ(笑)」という言い方をたまに見かけるようになりました。まったく文脈からも意味がわからない奇妙な表現で、気にはなっていたのですが、わざわざ調べるまでのことはしていなかったんですよね。でも最近、偶然その意味を知りました。発祥の地は2ちゃんねるだそうで、道理で特に解説等もなく無造作に使われるわけです。
どうやら、女性誌などに書いてあることを鵜呑みにして踊らされている女性を揶揄した言葉のようです。それを象徴的に表現すると
デザートのことをスイーツと呼ぶスパッツのことをレギンスと呼ぶスパゲッティのことをパスタと呼ぶズボンのことをパンツと呼ぶということになるそうな。他にも「がんばった自分へのご褒美」や「モテカワスリム」のような表現も、その人らに言わせれば「バカっぽい」んだそうです。そういう(彼らが言うところの)バカっぽい女を「スイーツ(笑)」と呼ぶのだとか。
……俺、けっこう当てはまってるジャン。どうやら私はスイーツ(笑)男みたいです。言葉遣いの観点から言うと、だけどね。
この「スイーツ(笑)」という表現に関しては、いろんな意見があるようです。「確かにそんな女はいるね。バカだと思う。」、「普段女性にアプローチできない、モテない男の逆襲なのでは?」、「基本的には冗談なんだから、これ自体を真に受ける方がバカ。というか2ちゃん初心者」、「内部で内輪受けとして使うのは良いけど、日常会話とか2ちゃんねるの外で言うのはどうかと思う」などなど……。
ただ、私は誰がどんな言葉を使おうと構わないと思っているので、こういった主題の方はどうでもいいです。むしろ枝葉末節が気になって仕方がありません。
言葉は状況によって上手に使い分けるべきですから、たとえばデザート、甘いもの、スイーツなどと、同じ物を指す場合でも状況によって使い分ければ良いんじゃないの? と思いますね。よくよく考えたら、確かに会話表現の中ではあまりスイーツって言葉、使ってませんね。むしろ広告的な意図であえて使うケースがほとんどです。いつでもどこでも、何でもかんでもとにかく「スイーツ」で統一するのは、確かにかっこ悪いと言えばかっこ悪いかもしれません。
スパッツとレギンスについてはノーコメント。恥ずかしながら、そして本来はいかんことながら、私は衣服の用語についてかなり疎いんです。レギンスって言葉、去年初めて知りました。
スパゲッティのことをパスタと呼ぶのは、これは確かに少しいただけません。スパゲッティはパスタの一種にすぎず、他にもラビオリとかリングイネとかフェットチーネとか、いろんなパスタがありますから。いわば、イギリス人やコスタリカ人やマダガスカル人やフィリピン人などを無視して、アメリカ人だけのことを外国人と呼ぶのと同じです。ただし、これが一人歩きして「パスタという言い方をすることがダメ」っていう風潮も多少見て取られますが、それには賛成しかねます。スパゲッティだってパスタなんだから、間違っちゃいないですもん。(「アメリカ人だって外国人ですもん。」と同じ。)
ズボンのことをパンツって……これはさすがに論外でしょ。そんないちゃもんはアメリカ人がかわいそうです。そして、アメリカ英語をある程度たたき込まれた私もかわいそうです。逆にズボンって言い方がどこから出てきたのか、ちょっと知りたいですね。外来語? 造語? もともとあった日本語??