2008年09月15日

華麗ならざる一族

 母方の祖母の法事がありました。仕事があって法要には参加できず、その後の食事会にのみ参加してきたのですが、その様子に唖然としてしまいました。

 予兆は、3日前にすでにありました。弟夫婦の欠席が急遽決まってしまい、2人分の席が空席となってしまいます。この食事会の幹事役を務めるうちの父親、この事態に対しこんな決断を下します。
「まあ2人分の食事くらい、ほかの誰かが食べるだろう。予約はそのままにしとこう。」

 ちなみに会場はお寺の近くの日本料理店です。某ホテルの最上階にある、比較的名の知れたお店です。そんなところでこのような狼藉を働こうというのですから、思わず苦笑まじりに
「余るくらい食事を出すなんて、中国流だね。」
とちょっとした皮肉を言ってやりました。食い意地の張ったうちの一家ならいざ知らず、親族の集まる席でそりゃないでしょ。それに、お店の格を考えたらちょっと考えられない決断ですよね。

 さてさて、当日です。仕事が長引いて開始約1時間後に到着してみたら、ある意味で宴もたけなわでした。うちの母方の親戚は飲む人が少なくて(というか飲む人は比較的早死にしてしまい)、大騒ぎ、馬鹿騒ぎにはなりません。和やかな歓談風景です。われわれはそれで特に不満もなく楽しみます。

 が、もしその光景をよくよく観察してみたら、少し異常なものに映ることでしょう。久々に会う親戚には「元気にしてた?」「今、何年生?」「早く結婚しないと」なんて話題が定番なのでしょうが、なぜかそんな会話はあまりありません。むしろ
みよしの(広島の老舗の団子屋さんです)ってどこに移転したの?」
とか、
「大阪に旅行に行ったときに体調が悪くなって、有名なお好み焼き屋さんに行ったのに“ミニお好み焼き”しか食べられなかったのが悔しい!」
とか、そんな話ばっかりです。

 ちなみに引き出物にはムッシムパネンの焼き菓子です。こちらを渡すときも親戚一同、
「あ、知ってる知ってる。よく自転車で買いに行く。」
「前、廿日市にあったでしょ。」
とまあ、そんな感じ。みなさん、情報通ですね……。

 会話だけではありません。テーブルの少し向こう側に目を向けると、中学生になる従甥(いとこの息子さん)がご飯のお茶碗を追加で2人前押しつけられながらも、それをものともせずにぱくついています。「まだまだイケル」と頼もしいセリフつきで。

 その姉、つまり従姪(いとこの娘さん)の席の前にはなぜか漬け物が5人前。しかもそれに大喜びしています。「へへっ、すまねぇな。」と(ある意味)今時の若い娘らしいセリフつきで。

 仲間内や職場ではよく食べる方で通っている私ですが、母親に言わせれば「少食」にされてしまいます。私も職場でいただいた差し入れ(大判焼き)を1個食べた後に来ていて、ここでもお刺身を1人前余計に食べてるんですが……。

 これまで、こんなに「食」に偏っているのはうちの家だけだと思っていました。まさか親戚一同こんなんだとは気づかなかったよ……。このままでは飽食の大罪により、一族郎党地獄行きは免れないので、せめて毎日の食事に感謝しながら今後も生きていくことにします。ごちそうさま。
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2007年11月18日

偶然出会ったその人たちは……

 今日は昼、仕事でした。土日フル回転して疲れた体を癒すため、夕方にムッシムパネン(先日紹介したケーキ屋/カフェ)に行ったのですが、ちょっと意外なことが起きました。

 最近は前回紹介した頃に比べて客足が落ち着いてきたのもあり、割とゆっくりさせてもらっています。ケーキとコーヒーを飲んだ後しばらくぼんやりしていると、カフェ担当の方が私に眼を細めてにっこり。でも、単に微笑んでいるのとは少し違うニュアンスが感じられる笑顔です。そしてその口から出た言葉は
「ご両親がいらっしゃいましたよ。」

 えっ? 見ると、確かにうちの父親です。(ちなみにうちの親父、最近の話ですが、奥田民生さん、ポルノグラフィティに続いて山崎まさよしさんにも気がつかなかったらしいです。)横には確かに母親もいます。いやあ、驚いた。まさか出先で両親に会うとは。

 まあ、よくよく考えるとあり得ることなんですけどね。こと食べ物屋の話題に関して言うなら、私は友達と同じように両親とも情報交換をしています。先日こちらのお店を紹介しようと思ったら、すでに知っていたんですよね。その時に、休みの日にちょくちょくお茶を飲みに行くんだって言ってましたから。

 びっくりは、あちらも同じだったようですけどね。

 そして、シェフがわざわざ奥の厨房からカフェの側にいらして、
「この前お店に行きました。」
と声をかけてくれます。以前、たまたま話の流れでうちの両親が商売をしていることを話したら、先日さっそくご来店いただいたと、そういうわけです。知り合ってからまだ間もないのに、ありがたい話です。人の縁をとても大事になさっている方なんだと思います。ちなみにうちの親は客商売、それも大ベテランなのに客の顔をロクに覚えていません。

 で、食べるもの食べたらとっとと帰る主義の両親は、今回もその主義に基づいてとっとと帰りました。

 その後、私も席を立ったのですが、帰り際に今度はシェフの奥様が
「にこにこしながら見てましたよー。」
というひとこと。別に恥ずかしいことなんか何もないはずなのに、少し気恥ずかしさを感じたりもしました。

 お店で話題になる変わり者の家族ってのも我ながらちょっとどうかと思うのですが、それでもスタッフのみなさんには温かく迎えていただいて感謝感謝でした。ちなみに今度は香川に住む弟夫婦とその子どもを連れて来れればいいねって話をしています。

 そうそう、ドリンクメニューが少し変わっていました。最近「ムッシムパネン」で検索して当ブログにお越しの方が多いようですので書いておきますが、改めてメニューを見直してみるといいかもですよー。
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2007年07月26日

新しい「家族」

 今日の早朝、義妹が男の子を産んだようです。伯父になりました。

 弟には、間違えて“心太”(←「ところてん」と読める)みたいな名前をつけるなよと言っておきましたが、幸いにしてちゃんとした名前がつきました。無事産まれるかどうかが最初の心配事、ちゃんとした名前が付くかどうかが2つ目の心配事でしたから、そのいずれもクリアされて本当に良かったです。

 余計なお節介ですが、出産を控えた方とそのご家族のみなさんは、名付けでミスらないよう、くれぐれもお気を付けください。海月(みづき)ちゃんは「くらげ」と読めますからね。

参考リンク:「子供の名付け(命名)DQN度ランキング」(以前にも紹介しましたよね?)
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2007年05月13日

母の日ケーキ

 不思議なことですが、何かをプレゼントしたり、感謝の気持ちを口にしたりすることについて、相手が両親である時に限って妙に照れてしまいます。それ以外の人には、照れることはまったくないのですが。

 今日は母の日ですが、その今日に母親と会う予定がないので、きのうのうちに何か渡しておこうと思い、ケーキを買いに行きました。どこで何を買うか少し迷った結果、クラークシーゲル(三越デパ地下)のイチゴがのったシフォンが美味そうに見えたので、それに決めて持っていくことに。ちなみに、ついでに自分用も買っておけば良かったと少し後悔しています。

 でも、渡すときの言葉は
「はい、母の日」
ではなく、
「うまいケーキ屋知らないかって言ってたでしょ? これ、食べてみたら」
なんですよね。

 あとで親父に
「明日に買ってくれば良かったのに」
と言われました。そういうところには無頓着な方だと思っていたのですが、ひょっとして今までも黙ってただけなのかもね。何十年も。
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2007年05月11日

♪我が家に♪バカ集合♪ ポンポンスポポン……

 トマトソースがそれなりに作れるようになったので、以前から作りたいと思っていた洋風角煮を作ってみました。ソースに塩を入れすぎて失敗気味だったんですが、それでも薄めたり砂糖を入れたりなどして何とか調整して、ギリギリ食べられるようにしてみました。正直、それでも塩辛いです。やっぱり失敗です。

 そんでもって、うちの両親に持っていって食べさせてみました。実は自分用だけではなく、両親に持っていくつもりで作ったのです。失敗料理を持っていってゴメンよ。とーちゃん、かーちゃん。

 でもって、「ソースに塩を入れすぎた」と先手を打ちながら食べてもらいました。その感想。
父「………………でも、ご飯と一緒なら大丈夫。」
母「あー、大丈夫よ。余ったソースはご飯にかけて食べたから。」

 この歳になってもまだまだ親バカだなぁ……。甘すぎるよー。

 と、そんな親バカ両親が、あと数ヶ月でジジバカ、バババカになります。弟夫婦の子供が夏頃に産まれる予定なのです。かく言う私も、オジバカになりそうですけど。いちばんしっかりしてるのは、もしかしたら他ならぬ弟夫婦かもね。
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2007年02月26日

母の謝罪

 夕食の時、母親に実に奇妙な謝り方をされてしまいました。
「あんたはあと1年、宿命大殺界が残ってるんだね。お母さん知らなかったから何のアドバイスもできずにごめんね。20年間長かったけど、あと少し我慢しんさい。」

 どうリアクションを取ったらいいのか、困惑してしまいました。

 母は、細木数子氏が今みたいにテレビに出ずっぱりになるずっと前から、氏の占いである六星占術にハマってました。私はあまり詳しくないのですが、六星占術というのは四柱推命の流れをくむ占いだそうですね。宿命大殺界というのも、占いの用語みたいです。おどろおどろしい響きと、母親の言いぐさから想像するに、「宿命大殺界」ってのは要は運の悪い時期ってことでしょう。

 そうかなー? 私はかなり運の良い部類だと思うんですが。特に中学生辺りから人生がだんだん楽しくなってきましたから、この20年は良い時期だったと思うんですけどね。こう見えて意外と健康だし、裕福とは言わないまでもそんなにお金に困ったということもなし、いろんな勉強をさせてもらったし、良い出会いもたくさん経験しました。また、あと一歩で事故死しそうな状況を2回も無傷で切り抜けてます。これと言った犯罪行為にも巻き込まれていません。唯一、女運には恵まれていないかも知れませんけどね。こと色恋沙汰に関してはロクな目に遭っていない気がします。でも、それ以外はナカナカついてる20年だったと思っています。

 時々、妙な物にハマるうちの母親ですが、実害のない範囲で留まっていてほしいものです。
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2006年11月18日

今日のうちの親父

 この記事は以前書いた“みんせい”さんと“ぐらふてぃ”の続きです。まずはそちらを読んでから当記事をご覧ください。

 手品師のマギー審司さんには気づいた模様です。ただし、名前はわかっていませんでした。同行者の方に「あの人はマジシャンじゃろ?」と広島弁丸出しで聞いてました。もっとも、2つ向こうの席という至近距離に座っていながら全く気づかなかった私も私ですが。
posted by Yosh at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族の肖像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月20日

“みんせい”さんと“ぐらふてぃ”

 以前、「ブルガリ食べますか?」という記事で、尊敬するうちの親父のことを紹介しました。その親父がまたしてもアレだったんで、ネタにします。

 両親は自営業者でして夫婦で店をやってます。それが最近、とあるテレビ番組で店の名前が出てきたみたいなんですね。その名を出したのが、広島出身の歌手である奥田民生さん。私自身はその放送を見ていなかったのですが、まず職場の人に教えてもらい、そして髪を切りに行った床屋さん(ちなみに中学校時代の先輩)からもその話が出てきました。いずれも、私はその場で軽口を叩きました。
「いやー、うちの親父は民夫が来てること、確実に気づいていないですねー。」

 最初は半分冗談のつもりでした。しかし段々不安になってきました。そこで両親に聞いてみたところ……
ワシ「奥田民生って知ってる?」
母「知ってる。……でも顔はわからない」
ワシ「うちの店の名前をテレビで言ってたらしいよ」
父「ありゃあ、“みんせい”じゃろう?」
ワシ「“みんせい”じゃなくて“たみお”」

 予感的中です。やはりわからないみたいで。

 さらに以前、こんなやりとりもあったのだそうで。かつて、元西武ライオンズの東尾修さんがお店にいらしたことがあったそうです。ちなみにその時が初めてというわけではないらしいです。そこにたまたま同席した若者たち。

 若者は少し迷っていたみたいです。東尾監督に話しかけて良いものかどうか。結局、話しかけることはできずじまいだったようで、後からうちの親父にこう聞いたのだそうです。
若者「東尾さんに話しかけてよかったですかね? 何か悪い気がして」
父「あの人は気さくな人だし、良かったんじゃないの?」

 そして別のお客さんがやって来ました。なぜか、その新しいお客さんは、若者達にサインを求めます。若者達が帰った後、不思議に思った親父がそのお客さんに彼らが誰なのか聞いたところ、広島県出身の人気バンド、ポルノグラフィティであることが判明しました。

 それ以来、その日は親父にとって「東尾とぐらふてぃが一緒に来た日」と記憶されているようです。なんつうか、気づかなすぎでしょ。いくらなんでも。
posted by Yosh at 00:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 家族の肖像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月26日

弟の結婚式・披露宴

 私事ですが、明日弟が1回目の結婚式・披露宴を行うことになります。1回目という言い方は一見不穏当ですが、単に2回に分けて行うだけですよ。新婦の出身が愛知県なので、新婦側の家族の中には体力的に広島までが遠すぎる人がそこそこいらっしゃるみたいなことと、共通の友人が愛知に多いことから、2度目を名古屋で実施するという意味です。

 大人になってからは結婚式・披露宴に参加するとなると必ず何かの役が回ってきます。使ってくれること自体は大変ありがたいのですが、今回はその中でもいちばんしようもない受付なのでチトつまらんです。せっかくだから余興に出してくれれば良かったのに。そしたら今流行りの歌を歌ってたんですけどね。何を歌うかって? この歌ですよ。
posted by Yosh at 06:45| Comment(4) | TrackBack(0) | 家族の肖像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月04日

「あんた天然ねぇ……」

 母親に「あんた天然ねぇ……」と言われてしまいました。最初、その口が言うかと思いましたが、どうやら髪の毛のことだった模様。どうやら我が家はかなり天然一家のようです。
posted by Yosh at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族の肖像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月10日

ブルガリ食べますか?

 私の父はプロの料理人です。子供の頃からさすがプロだけあって美味い料理を作ると思っていましたが、自分自身もある程度料理をするようになって以来そのすごさが身にしみてわかるようになりました。今日はそんな私の尊敬する親父の話。ちなみにこの話はすべてノンフィクションであり、嘘は一切含まれていません

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 ある日、弟(香川県在住)とその彼女(愛知県在住、近日結婚予定)が広島に来ることになり、夕食に何をごちそうしようかという話をしているとき。親父がこう言いました。

「牛肉があるから、あれ作ろう。ブルガリ。」

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 別の日。韓国料理を食べているとき。

「フェ(韓国の刺身)ってのは、あれに似てるな。イタリアのカルパッチーニョ。」

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 そしてこれまた別の日。「いろいろキノコのペペロンチーノ」というメニューを注文しました。お店の人がその皿を持ってきて、

「この黒い粉みたいなのはマッシュルームを8時間炒ったものなんですよ。」

と説明してくれたのですが、その5分後には

「これ食え。マシュマロ。」
posted by Yosh at 10:59| Comment(2) | TrackBack(1) | 家族の肖像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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