2008年10月29日

サスペンディッド・ゲーム

 ただ今、ある意味でワールドシリーズ史上最長の試合が行われている最中です。どういうことかって? ゴメンナサイ。実はわざと、少し変な言い方をしています。

 今年のワールドシリーズは、アメリカンリーグ優勝チームのタンパベイ・レイズとナショナルリーグ優勝チームのフィラデルフィア・フィリーズが戦っています。私にとっては本当におもしろいシリーズになってうれしい限りなのですが、現在のところフィラデルフィアが3勝1敗とワールドチャンピオンに王手をかけているところです。

 そして迎えた第5戦は現地(米国東部)時間の10月27日午後8時(日本時間10月28日午前9時)に開始しました。が、天候に恵まれません。得点は2対2の同点、6回表が終了した段階で、試合が中断されました。天候の回復を待ったものの、空はそんなそぶりすら見せません。

 こういう場合、日本のプロ野球であれば試合終了です。5回を終えた段階で試合続行不可能な場合、その試合は成立したとみなされますから。引き分けです。

 MLB の場合も、中断によるコールド・ゲームは存在します。あちらの、野球をやっているような地域の大部分は日本に比べて雨があまり降らないので、天候不良による中止や中断は少ないのですが、それでも日本同様のルールはちゃんと存在します。

 が、このケースは同点。コールド・ゲームだと決着がつきません。そして、MLB には原則として(というか野球は本来)引き分けというものが存在しないのです。以前、「【MLB シアトル】バックアップ捕手が急造投手になるのは珍采配ではない」という記事で、同点なら延々と試合を続けるという話をしましたよね。実は、引き分け制度のある日本プロ野球の方が、邪道なのです。(とはいえ私はプロじゃない野球や、日米以外の野球に関してはまるっきり知識がありません。そういった現場での引き分けの扱いに関してはまったく知りません。もしかしたら「邪道」が主流だったりして。)

 そういうときどうなるのか。ここで「サスペンディッド・ゲーム」というルールが存在します。要は試合を中断して、後日その続きをそのままやるというわけです。今回だと、6回裏、フィラデルフィアの攻撃から再開です。打順等もそのままで、タンパベイの投手は2番手として投げていたグラント・バルフォー、フィラデルフィアの打者は次の打順である9番ピッチャーのコール・ハメルズからとなります。そのまま続きをやるということは、もちろんまだ出場していない選手に交代させても構いませんので、たとえば先発投手も務めたハメルズは代打を出される可能性があります。

 まるで、ファミコン初期のゲームにあった「ポーズボタン」が押された状態ですよね。もちろん、人間がやっていることなので、疲労の回復とかコンディションの変化など、いろんな要素が変わってきますけどね。

 ちなみにこの件、ちょっとした裏話があります。(マスコミで大々的に報道されている話を「裏話」というのも変ですかね?)実はこの試合、5回を終えた段階で2対1でフィラデルフィアがリードしていました。すでに雨脚がずいぶん強くなっていて、このまま中断したらその日の内の再開は難しいだろうという予測ができるほどの状況だったそうです。

 さて、ここでルールを愚直に適用したらどうなるでしょうか? フィラデルフィアがコールド・ゲームにより勝利し4勝目。つまり、そのままワールドシリーズを制覇してしまいます。やむを得ないとは言え、何だかもやっとした幕切れになることでしょう。特にタンパベイのファンはやりきれないでしょうね。

 MLB コミッショナーのバド・セリグ氏は、難しい決断を迫られます。結論は試合続行。そして6回表にタンパベイが同点に追いついたことで、晴れて(?)サスペンディッド・ゲームの宣言と相成ったのです。中断後のインタビューに答えて「ワールドシリーズがコールド・ゲームで終了するなんて許されない事態だ。」と語ったのだとか。賛否両論あるかもしれませんが、私は英断だと思いました。土壇場で同点に追いつくという運もありましたけどね。

 ちなみにワールドシリーズでサスペンディッド・ゲームとなったのは史上初なんだそうです。だから「ある意味でワールドシリーズ史上最長の試合」という言い方をしてみました。
posted by Yosh at 07:40| Comment(0) | I love BASEBALL! 野球のはなし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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