2007年11月29日

めっちゃ気になる検索ワード

 アクセス解析を見ていて、とてもとても気になる検索ワードが出てきました。
「お好み共和国のソースは本当に全てオタフクソー……」

 スなのか、と続くのでしょう。そう問いかけられれば、かなり気になります。

 言われてみれば、確かに私もすべての店を食べて確かめたわけではありません。単にオープン当初、オタフクソースがお好み共和国と関連していて、すべてオタフクソースで揃えてあると報道されていただけ。疑おうとすれば疑えます。

 めっちゃ気になるなぁ……。真相を知っている人がいたら、ぜひ教えてください。
posted by Yosh at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 飲み食い三昧 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月27日

【広島のお店】こなもん屋

 今回はちょっと変わったお好み焼き屋「こなもん屋」を紹介します。場所は広島駅前にある「広島お好み物語・駅前ひろば」の中になります。エレベータを上がって、右通路の最初(右側)のお店です。

 店主はイタリア料理の修業をされた経験があり、ソムリエの資格もあるという、お好み焼き屋さんとしては変わり種の経歴の持ち主です。そんな多彩な方が作る物ですから、実にチャレンジ精神旺盛なメニューが並んでいます。

 もちろん通常のお好み焼きもあります。これも少しだけ変わっていて、しその葉が中に入りますけどね。これはこれでもちろん美味いのです。しかし、それだけではありません。こちらのお店の特徴的なメニューの、その代表格は何と言っても「イタリアンお好み焼き」でしょう。

 生地を鉄板に引いてキャベツを乗せるところまでは普通と同じです。しかしその後に入る具が違います。もやしや三枚肉、天かすなどが入る代わりに、コーンやベーコンが入っていくのです。味付けもお好みソースではありません。まずピザソースから始まり、その上にとろけるチーズがどさり。これをバーナーで溶かした後にケチャップとマヨネーズが乗ります。

 正直な話、普段の私なら嫌うタイプの仕上げ方なんですよね。マヨネーズとケチャップなんて安易に思えますし、特にマヨネーズは単純に味が強すぎて嫌いなんです。(味覚障害の人がマヨネーズをやたら好む傾向があるのも、この味の強さが原因だそうで。)なので、最初頼んだときは失敗したかなと思いました。が、食べてみると美味いんですよね。気取っていないというか、新しいのに昔懐かしい味というか。リピーター率がけっこう高いメニューなんだそうですが、私もまんまとリピートしちゃってます。

 「全然イタリアンじゃないじゃん」というツッコミもありそうですが、店主曰く「よっぽど“なんちゃってイタリアン”と名付けようかと思ったけど、食材に申し訳なかったのでそれはやめておきました」だそうで。とてもおもしろい方です。

 ちなみに裏メニューもいくつかありまして、そちらもこのイタリアン同様のチャレンジ精神が感じられます。たとえば先日紹介した本『食わずに死ねるか』でも紹介されていた“横スペ”は四角い形をしていて、仕上げに溶かしバターが乗るという変わり種のお好み焼きです。他にもいろいろありますので、お店に行ったら聞いてみてください。また、こっそり教えてもらったのですが、今もいくつか開発中のメニューがあるのだそうです。こちらの方も完成を楽しみにしているんですよね。

 とても楽しいお店だと思います。「食」という点に関して、すごく刺激をいただきました。
posted by Yosh at 06:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 飲み食い三昧 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月26日

【広島のお店】ジュネ

 今回は最近知ったお店、焼肉ジュネを紹介します。実は熱狂的ファンがたくさんいる評価の高いお店みたいですね。荒神陸橋のたもと、広島インテリジェンスホテルの別館隣りにあります。(地図)このお店、昼と夜で2つの顔を持っています。昼はお手頃ランチで近隣オフィスの会社員のハートをがっちり掴み、夜は食べ放題焼肉のお店として家族連れに大人気です。

 お昼は4種類の定食が看板メニューとなっています。ハンバーグ、鶏肉ステーキ、サイコロステーキ、ぶたショウガ焼きの定食がいずれも500円というびっくり価格。中身は昔ながらの鉄プレートにお肉と野菜が乗り、それプラスご飯と味噌汁となります。他にもいろんなお弁当やランチがあり、メニューはお昼なのにかなり豊富です。食後のコーヒーを100円で出してもくれます。

 夜になると焼肉屋に変身します。単品メニューもあるのですが、こちらで人気なのは食べ放題プランです。値段設定は男性2630円、女性2100円とかなり安め。プラス1050円で飲み放題もつきます。ちなみにホットペッパーに500円分の割り引き券がついているようですが、世の中には親切な方がいらっしゃって、わざわざホットペッパーを探さなくてもこんなウェブページを作ってくれています。この安さは異常です。ちなみに肉の中身は単品で頼んだときと変わらないらしいですよ。私は基本的に食べ放題を信用していないのですが、ここはアリだなと思いました。
posted by Yosh at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 飲み食い三昧 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月24日

【広島のお店】天晶

 観音新町にある天ぷら屋さん「天晶」に行ってきました。2週間ほど前に改装再オープンしたばかりのお店です。(地図

 このお店、以前はやや古めかしい店構えで、席数もさほど多くなかったように記憶しています。きちんと美味い物を出してくれて、それでいて天ぷら屋としては安かったので気に入っていたのですが、先日行ってみたら古いお店を完全に更地にしていたので、なくなってしまったのかと思っていました。そうしたら、この度ずいぶん立派に改装されて再オープンしたのです。

 新しいお店の概観は天ぷら屋らしく高級感があります。しかし、お値段は安いままで、そこがうれしかったですね。普通のお店だったらお昼のランチとしてしか出さないであろう「サービス天丼」1,200円を夜でも日祝日でも出してくれます。天ぷらのコースでいちばん量が少ない「梅」は9品ご飯と味噌汁つきで2,000円とお手頃です。もちろんさらに高級なコースもありますし、カウンターに座れば単品注文ができる点は、他の天ぷら屋さんと変わりありません。

 個人的には「物に対してちょっと値段が安すぎね?」と思うお店のひとつです。うれしいような、心配なような。
posted by Yosh at 23:02| Comment(2) | TrackBack(1) | 飲み食い三昧 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月22日

翻訳してみたいもの

 仕事じゃなくて趣味で、なんですが、ちょっと翻訳してみたい題材があります。(まあもちろん、万一それが仕事になるんならその方が良いですが。)私がほとんどやったことのない(特に仕事での経験はゼロの)文芸翻訳です。しかも、未読の本なのですが。

 それは、"The Avenger of Blood" (アマゾン JP の購入ページ)という小説です。ペーパーバックで344ページですから、かなりの量になりますね。去年の秋に出た小説なのですが、なぜこれに興味を持ったかというとごくごく単純。作者は Miguel Batista。そう、特技は高速シンカーという変わり種の小説家、ミゲール・バティスタ先生の作品なのです。商業出版では初めての小説と言うことですが、綿密な調査の元、かなりディテールに凝った作品なんだそうです。

 まあ現実には仕事でもないのにこれだけの量の翻訳をしてのけるのは、まず無理なんでしょうけどね。まあそれでも、たとえ挫折しても良い勉強にはなるだろうと思いつつ、ちょっと手がけてみようかなって思ってます。
posted by Yosh at 19:23| Comment(0) | TrackBack(1) | ことばの広場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月20日

カープ再生への提言(酔っぱらい的コラム)

 ご存じのように、プロ野球広島東洋カープがヤバいです。このまま行くとエースと4番がチームを退団することになり、大幅な戦力ダウンが予想されます。カープはまたしても球界のお荷物に成り下がってしまうのでしょうか。乏しい資金と現状の成績では、優れた選手もなかなか集まりにくく、このままでは悪循環から逃れることもできそうにないように思えます。

 しかし、ちょっと私ひらめいちゃいました。もちろん今から書くことは素人の思いつきです。まあ、話半分で聞いてください。

 マネーボールすればよくね? と思ったわけです。要は「実は貢献度が高いのに古典的な基準では過小評価されがちな、リーズナブルな選手を集める」ということです。以前にも紹介しましたが、この手法で MLB オークランド・アスレティックスはかなりの成果を上げています。そこに見習うべきお手本があるんじゃないでしょうか。

 ただし、MLB で使われているデータ解析法そのまんまを流用はできません。日米で野球の質が違うからです。たとえば MLB に比べて、日本の方が若干バントの効果が高い可能性があります。全般的に日本の打者の方がバントが巧く、反面 MLB の内野手の方が強肩なので、バントの成功率が違うからです。また、もしかしたら MLB の方が盗塁狙いの効果が高いかもしれません。日本人投手の方がクイック投法が巧いからです。今挙げた2つの例はいずれも私の当てずっぽうです。しかし、MLB 流データ解析を鵜呑みにできず、改めて独自の解析をしなければならないことを指摘するには十分でしょう。

 まあたぶん流用可能な部分も多くあると思いますけどね。たとえば「選球眼は才能」と言われていますが、きっとこれは世界共通だと思います。また、打点というデータは結果を褒め称えるのに使うのはアリでも、選手の能力を測るのにはノイズが大きすぎて役に立たないってのも、まず間違いなく言えることでしょう。その選手の攻撃力を測るために使われる RC(Runs Created、さしずめ「得点力」といったところ)なども、日本のデータに合わせて公式(係数部分)を少しだけ修正するだけで利用できそうです。いずれにせよ、使えるかどうか再検討はしておきたいところですが。

 つまり、日本流マネーボールを作り上げるってことです。そのために、オープンマインドな統計解析の専門家を雇うべきというわけなのです。そうですねー、たとえば私辺り、雇ってみませんか? ……などと売り込めるほどまで統計に通じていないのが少し残念ですけどね。

2007年11月19日

ムッシムパネンに温州みかんジュース登場

 ……ゴメン、やっぱり思わせぶりな意地悪やめるわ。せっかくだから情報シェアします。すぐ下の記事に少し触れた新ドリンクメニューというのは、みかんジュースです。ちなみにホットもあります。

 以前から伏線はあったんですよね。お店で「英語でみかんってどういうの?」という質問をされたことがありました。最初はその意図がわかんなかったんですが、たぶんメニューに記載するためだったんでしょうね。それから数日して、シェフ曰く「大好きな」温州みかんがお店に届いたそうです。

 注文したら、その場でみかんを絞りはじめるじゃないですか。これにはオレサマ大感激でした。もちろんお味の方も感動の美味さです。ケーキと飲み物を始末した後の追加オーダーにお勧めしたいところですね。
posted by Yosh at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 飲み食い三昧 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月18日

偶然出会ったその人たちは……

 今日は昼、仕事でした。土日フル回転して疲れた体を癒すため、夕方にムッシムパネン(先日紹介したケーキ屋/カフェ)に行ったのですが、ちょっと意外なことが起きました。

 最近は前回紹介した頃に比べて客足が落ち着いてきたのもあり、割とゆっくりさせてもらっています。ケーキとコーヒーを飲んだ後しばらくぼんやりしていると、カフェ担当の方が私に眼を細めてにっこり。でも、単に微笑んでいるのとは少し違うニュアンスが感じられる笑顔です。そしてその口から出た言葉は
「ご両親がいらっしゃいましたよ。」

 えっ? 見ると、確かにうちの父親です。(ちなみにうちの親父、最近の話ですが、奥田民生さん、ポルノグラフィティに続いて山崎まさよしさんにも気がつかなかったらしいです。)横には確かに母親もいます。いやあ、驚いた。まさか出先で両親に会うとは。

 まあ、よくよく考えるとあり得ることなんですけどね。こと食べ物屋の話題に関して言うなら、私は友達と同じように両親とも情報交換をしています。先日こちらのお店を紹介しようと思ったら、すでに知っていたんですよね。その時に、休みの日にちょくちょくお茶を飲みに行くんだって言ってましたから。

 びっくりは、あちらも同じだったようですけどね。

 そして、シェフがわざわざ奥の厨房からカフェの側にいらして、
「この前お店に行きました。」
と声をかけてくれます。以前、たまたま話の流れでうちの両親が商売をしていることを話したら、先日さっそくご来店いただいたと、そういうわけです。知り合ってからまだ間もないのに、ありがたい話です。人の縁をとても大事になさっている方なんだと思います。ちなみにうちの親は客商売、それも大ベテランなのに客の顔をロクに覚えていません。

 で、食べるもの食べたらとっとと帰る主義の両親は、今回もその主義に基づいてとっとと帰りました。

 その後、私も席を立ったのですが、帰り際に今度はシェフの奥様が
「にこにこしながら見てましたよー。」
というひとこと。別に恥ずかしいことなんか何もないはずなのに、少し気恥ずかしさを感じたりもしました。

 お店で話題になる変わり者の家族ってのも我ながらちょっとどうかと思うのですが、それでもスタッフのみなさんには温かく迎えていただいて感謝感謝でした。ちなみに今度は香川に住む弟夫婦とその子どもを連れて来れればいいねって話をしています。

 そうそう、ドリンクメニューが少し変わっていました。最近「ムッシムパネン」で検索して当ブログにお越しの方が多いようですので書いておきますが、改めてメニューを見直してみるといいかもですよー。
posted by Yosh at 23:44| Comment(4) | TrackBack(0) | 家族の肖像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月16日

【MLB】2007年ワールドシリーズ顛末 (3) @クアーズ・フィールド

 舞台をコロラド州デンバーのクアーズ・フィールドに移して、ワールドシリーズは続きます。こちらもフェンウェイ・パークに負けず劣らずの曲者球場です。広いのですが、高地にあり(なんせコロラド・ロッキーズの「ロッキー」はロッキー山脈のロッキーですから)、そのため気圧の関係でボールがよく飛ぶのです。また、その対策として、通常より湿気を含んだ“飛ばないボール”を使用しています。普通とは少し違う環境というわけです。

 2敗した COL が BOS につけいる部分はいくつかあると思いますが、その中で環境への対応をつくというのが有効かなと思いました。実際、第3戦の先発の松坂大輔投手は、チームから離れて試合前日に現地にやってきましたが、この特殊ボールの練習を許可されませんでした。野球は競技場の形が一定でないという少し変わったスポーツですが、特に MLB はそれを駆け引きの一部に使用することを是とする風潮があります。松坂は前哨戦でしてやられました。他にも中継ぎ陣の不調が伝えられましたが、ボールに一因があったのかもしれません。

 また、ナショナル・リーグ側がホームになるので、指名打者が使えません。そのため、BOS は2番で大活躍しているケヴィン・ユーキリスを外し、普段指名打者を務めるデイヴィッド・オルティーズをファーストに回さなければなりません。ユーキリスは好守ともに活躍している選手ですから、これもかなりの痛手だと思います。

 この辺りをきっかけに攻めれば、一方的になったシリーズの流れを変えられるかも……と思ったのですが、結果は以下の通りでした。

【第3戦】× COL 5−10 BOS ○

 第3戦は松坂大輔とジョシュ・フォッグの投げ合いでスタートしました。松坂があの第1回 WBC のときのように見事アジャストして力投するのか、はたまたドラゴンスレイヤーが東洋の龍を狩るのか――そんな風に見ていました。

 で、結果ですが、ドラゴンスレイヤーがついに倒されてしまいました。BOS 打線は不調のエルズバリーをなぜか1番に起用し、好調のペドロイアを2番に据えるという、一見すると不可解な形を取ります。しかしこれが見事に当たり、2人で10打数7安打4打点とその起用に応えます。新人2人がこれだけノリノリではもう、手がつけられません。3回表に一気に爆発します。エルズバリーのダブルをきっかけに、打者一巡の猛攻で6点を奪います。松坂に2ランシングルが飛び出したことがニュースにもなりましたね。

 一方の松坂ですが、苦しみながら何とか結果を出したといったところでしょうか。6回途中2失点でした。やっぱりボールには苦慮していたんでしょうかね? その辺はわかりませんが、制球がやや定まらず、球数が多くなってしまいました。まあそんな状況でありながら、四球数は3つとそんなに多すぎるわけじゃないですから、要所は締めていたと言えるでしょう。この辺はさすがです。ただし長い回を投げられなかったことが、楽勝だったはずの展開に影を差します。

 松坂の2失点は、実際には残したランナーを後続のハヴィアー・ロペスが還したものでした。その後はマイク・ティムリンが抑えるものの、そのティムリンが7回裏に2安打を喫して岡島にマウンドを譲ります。直後、岡島秀樹が3番ホリデーに起死回生の3ランホームランを浴びてしまい、6−5の1点差にまで詰め寄られました。BOS の中継ぎ陣はやはりズタボロのようです。さらに4番ヘルトンがシングルでつないだときには、岡島もさすがに危ないかと思いました。

 が、ここから立て直したのはすごいの一言です。もちろん本人にはそんなことを考える余裕はなかったでしょうが、1点差だろうが勝てばいいのです。そこから集中力を切らさなかった岡島、その後を抑えきりリードを守ります。フランコーナ監督、ある程度の失点は覚悟の上で、それでも勝てる継投を意識したのかもしれません。現状ではそうせざるを得ないでしょうから。

 8回表、そんな緊迫感を逆方向に破る一撃が出ました。またしても新人1・2番コンビです。1・2塁のチャンスからエルズバリーとペドロイアが連続でダブルを放ち、3点を奪います。これでほぼ勝負ありです。ちなみにエルズバリーの打点で7−5になったことにより、統計的には BOS の勝利確率は81%から93%に上昇しています。ほぼ、とどめとなりました。さらに9回表にもヴァリテックの犠牲フライで10−5と突き放し、COL の望みを絶ちます。

 最後は8回途中から投げていたクローザーのパペルボンがまたしても登場し、ゲームを締めています。そろそろ壊れるのが心配になってきました。

 COL は後がなくなりました。中継ぎ陣の不調につけ込んで反撃したはいいが、こちらも同じようにやられては意味がありません。

【第4戦】× COL 3−4 BOS ○

 この日はある種の感動が球場を包んだ日でもありました。普段の野球の試合で味わえるものとはまた別種の感動です。第4戦の先発投手は BOS がジョン・レスター、COL がアーロン・クックです。レスターは昨年きら星のように現れた新人で、夏までにいきなり7勝を挙げるなど活躍した後、8月下旬に突然リンパ腫の宣告を受け戦線離脱。そのまま抗癌剤の治療を受けてがんを克服し、今季途中から見事な復帰を果たしています。一方のアーロン・クックも、2004年に肺に血栓ができて生死をさまよった経験があります。大病を克服した両者の投げ合い、独特の重みが感じられます。さらに BOS の5番、マイク・ローウェルも精巣がんを克服した経験があります。

 良い試合でした。私がそういう目で見ていたからというのもあるかもしれませんが、良い試合だったと思います。レスターは若さもあってファストボールとスライダーとのコンビネーションのみで必死に抑えます。少ない球種と、良いとは言いがたい制球に、捕手ヴァリテックもリード面で相当苦労したものと思いますが、バッテリーはとにかく気迫で押し切ります。対照的にクック、トレアルバのバッテリーは老かいに打たせて取る投球を心がけ、失投も多少あるものの低めに決まるシンカーを決め球にアウトの山を築きます。

 そして6回を終わって2−0と BOS がリードを奪います。好対照だったのが、BOS 側がレスターを6回途中無失点でマウンドから降ろしたのに対し、COL はクックを続投させました。両チームとも大変難しい決断だったでしょうが、結果としてはここが勝負の明暗を分けたようにも思えます。

 7回表、この回のリードオフはマイク・ローウェルでした。クックの決め球のシンカーをねらい澄ましたようにはじき返し、打球はレフトスタンドへ。3−0とリードを広げました。これで、BOS 側からすれば、残り3イニングを2点以内で抑えればいい計算になります。うち1イニングはパペルボンがいるので盤石として、残り2イニングをいかに切り抜けるかがポイントとなるでしょう。

 7回裏、デルカーメンからブラド・ホープがソロホームランを放ち2点差とします。反撃開始です。しかし8回表に COL は痛い失点をしてしまいます。クローザーの経験もあるブライアン・フエンテスが前日に続き打たれました。しかも、ここまで出番らしい出番もなかった代打ボビー・ケルティからの一発です。4−1です。

 そうなると、8回裏はもちろんセットアップマンの岡島が起用されます。しかし岡島も前日と同じことをしてしまいました。1アウト後、ランナーを1塁においてアトキンスに痛恨の2ランホームランを打たれたのです。これでついに1点差です。岡島、クアーズ・フィールドでは散々でした。

 BOS のベンチはあわてて(……いや、実はこれも想定していたようですが)守護神パペルボンにマウンドを託します。3連投、しかも8回1アウトからの1点差ゲームでの投入です。ちょっと無茶な気がしました。実際、少し危ない打球も飛びました。しかし、その危なげごとむりやり力で押し切ってしまうような投球でしたね。結果は5人の打者をパーフェクトに抑えています。最後は代打のスミスを高めのいわゆるクソボールで空振り三振に切って取り、ボストン・レッドソックスに3年ぶりのワールドチャンピオンをもたらしました。

 勝ち投手は無失点のジョン・レスター、そして試合終了後にワールドシリーズ MVP に選ばれたのはマイク・ローウェルでした。2人のがんサバイバーが世界一をたぐり寄せたのです。今季最後の MLB の試合は、とても美しいものでした。

 さて、ワールドシリーズが終わりました。日本のプロ野球は日本選手権シリーズ、そしてアジアシリーズが終わってこちらも終了。六大学野球も秋季リーグが終了し(うちとこにも優勝のチャンスがあったんだけどなぁ……)、今年の野球もほぼ終わりです。マスターズリーグは今季なぜか広島に来ないみたいだし。また来年の球春を楽しみに、しばし休眠しましょう。(あ、ちなみにオリンピックにはあんまり興味ないです。そっち方面の記事を期待していた人には申し訳なし。)

2007年11月14日

【MLB】2007年ワールドシリーズ顛末 (2) @フェンウェイ・パーク

 初戦と第2戦はボストンのフェンウェイ・パークでの開催となりました。ご存じの方も多いかと思いますが、とても個性的な球場です。レフト側がとても狭い代わりに、フェンスが極端に高いのです。このレフトスタンドにそびえ立つフェンスは“グリーン・モンスター”と呼ばれています。

【第1戦】○ BOS 13−1 COL ×

 BOS の先発はエースのジョシュ・ベケット。リーグ・チャンピオンシップの MVP にも選ばれた勝負強い投手です。今季、MLB で唯一20勝を獲得した投手です。サイ・ヤング賞の投票では接戦の末惜しくも2位となりましたが、その辺りからも今季のめざましい活躍に対する高い評価が伺えます。

 一方の COL の先発はジェフ・フランシス。大学で宇宙物理学を専攻し、本来の志望は研究者だったという変わり種の投手です。変化球が曲がる理由を物理学の観点から説明してくれるような人物ですが、このチームでは17勝を上げた若きエースでもあります。

 一般にポストシーズンのような短期決戦はできるだけ初戦にエースを持っていって勝ちを狙いますよね。1戦1戦の価値が違うからというのもありますが、何と言っても初戦を勝つことでの勢いを無視できないからという理由が大きいでしょう。その点において、この試合は大事な試合でした。シリーズのすべてを物語っていたと言って過言でないかもしれません。

 ベケットの方は完璧に近い投球でした。まず1回表を3者連続三振に切って取ると、そのまま7回をわずか1失点、そして9奪三振に抑え込みます。内容も迫力があり、奪った三振のうち6つは外の低めに決まった4シーム・ファストボールでした。本格派の投球で見るものを魅了する、素晴らしい投球です。力もさることながら、技も兼ね備えていました。2回に2本のダブルで1点を失いましたが、この2本はいずれも他の球場ならスタンドに入っているであろうという打球をグリーン・モンスターが阻んでいます。この辺も明らかに計算ずくでした。ここまでやられると、COL 打線はどうしようもないですね。

 BOS は打線も止まりません。初回、先頭打者のダスティン・ペドロイアが放った打球はいきなりのグリーン・モンスター越え。このプレッシャーの中、大した新人ですね。ワールドシリーズの初戦、第1打席にホームランを放つだけでもすごいですが、実は彼、この時点で左手の有鉤骨という骨の骨折を押して出場していたのです。(もちろん選手生命に関わりかねない無茶ですが、幸いにしてシリーズ終了後に手術を行って成功し、今後の影響はなさそうだとのことです。)

 こうなるともう BOS の独壇場です。さらに連打でこの回3点を奪うと、次々と得点を重ねフランシスから4回6得点を奪い、降板させます。5回には大量7点を奪ってあっという間に試合を決してしまいました。

 こうなると、勢いに乗ってここまでやって来た COL は逆に厳しいですね。もともと下馬評でも BOS 有利と出ていて、その実力差をまざまざと見せつけられた感じになったからです。この試合で、COL は焦りが出たことでしょう。私もこの試合で、シリーズの趨勢はほぼ見えたなと感じました。

【第2戦】○ BOS 2−1 COL ×

 BOS はベテランのカート・シリングをマウンドに上げました。勤続19年、通算216勝を誇る40歳の大投手です。今季は故障の影響で登板数がやや少なく、24試合に登板し9勝8敗、防御率3.87という成績でした。それでも、こういう大舞台にはめっぽう強く、かつてアリゾナ・ダイアモンドバックスでプレイしていた頃、ワールドシリーズ制覇の際にランディ・ジョンソンと並んで MVP をダブル受賞したこともありました。こういうピッチャーって、なんかすごい投球をするか逆に打ち込まれるかのどっちかって印象ありません? 偏見かもしれませんが、私はそう思います。

 対する COL は対照的で、ウバルドー・ヒメネス23歳がマウンドに上がります。名前をちょろっと聞いたことがあるだけの選手だったので調べてみたところ、7月途中に MLB に昇格し先発ローテーションに入ったばかりで、ほぼ新人と言っても良いようなキャリアの投手でした。今季は15試合に登板し4勝4敗、防御率4.28となります。ちょっと選手層の差が出ている感がありますね。とは言え、100マイル(約160キロ)の速球と、かなり切れるスライダーを投げる才能ある投手でもあります。

 蓋を開けてみると、ロースコアゲームでした。先に点を取られたのはシリングの方です。死球で出したランナーを内野ゴロで還すという地味な1点で、COL が先制します。しかしシリングはそこから崩れません。この辺はさすがです。往年の剛速球には衰えが指摘されますが、それをものともせずに要所を締めます。

 一方のヒメネスも序盤からなかなかの投球で負けていなかったのですが、少しコントロールに難がありましたね。四球を連発しピンチも作りました。ただ、BOS 打線もきのうほどは打てません。4回にキャプテンのジェイソン・ヴァリテックが犠牲フライで1点を奪いますが、後が続きません。5回には1・2塁のチャンスからマイク・ローウェルがダブルを放ち勝ち越しに成功します。が、それもそこまで。そのまま僅差の試合となります。

 そしてそのまま両リリーフが得点を許しません。COL はアッフェルト、ハージェス、フエンテス、そしてコーパスとつぎ込み無失点。一方の BOS も勝ちパターンの起用です。普段からするとかなり早いですが6回途中から岡島を、そして同じく早いですが8回途中からクローザーのパペルボンをつぎ込みます。

 この競り合いに勝ったのは BOS でした。8回表、パペルボンは出したランナーをけん制でアウトにして回を終わらせると、9回表も三振2つを含む完璧なピッチングでそのままゲームを締めます。このポストシーズンでパペルボンはものすごい酷使をされていますが、まったくその影響を感じさせません。

 これで2連敗の COL は苦しくなりました。

2007年11月13日

コーヒーの味の決め手

 コーヒーの美味さは、「コーヒー豆の質」と「入れる人の腕」とではどちらが比重が大きいのでしょうか?

 「美味いコーヒーの決め手は、腕よりも豆」と断言したその人は、いともたやすく私好みのコーヒーを入れてくれる達人です。腕の良い人の言うその言葉、あまりの説得力のなさに笑っちゃいました。

 また別の達人はこう言います。「顔を見ると、ついそういうふうに手が動く」と。どういう意味かというと「その人の好みを把握しているから、どんなコーヒーを入れるにしても無意識にその人好みに仕上げてしまう」ということです。私の顔を見ると、しっかりとしたコーヒーを入れてくれます。

 まあ、美味いコーヒーを入れるには良い豆じゃないとダメだけど、良い豆だから好みの味になるとは限らないってのが正解なんでしょうけどね。
posted by Yosh at 23:52| Comment(2) | TrackBack(0) | 飲み食い三昧 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月10日

イチロー、2回目のシルバースラッガー賞受賞

 イチローがキャリア2度目のシルバースラッガー賞を受賞しました。シルバースラッガー賞とは、各ポジションごとに打撃の優れた選手に贈られる賞です。名前に「スラッガー」とつくことからわかるように、どちらかというと長距離砲に有利な賞ですから、完全に予想外でした。外野手はもちろん長距離砲が多いですし、特にアメリカンリーグの外野手は層が厚いですからね。なんせ、イチローが2004年にシーズン最多安打の大記録を達成したときすら、選ばれなかったのですから。

 今回の受賞は幸運もあります。今季のアメリカンリーグはやや投高打低気味で、特に一部の突出した選手をのぞいてホームランが少なめでした。それも外野手では30本以上打った選手がいません。その結果、.320を越える高打率でホームランを20本台後半打った選手が2人に絞られます。イチローをしのいで首位打者を獲得した好打者マグリオ・オルドニェス (DET) と、城島が「どこに投げても打たれる」と評する強打者ヴラディミール・ゲレーロ (LAA) です。

 残った1人に誰を選ぶのか。打率.300、ホームラン20本前後の選手がゴロゴロいるのです。それこそシアトルの両翼、ラウル・イバニェスとホセ・ギーエンとかね。あるいはホームラン20本台後半の選手については、打率が物足りないのです。これは選びようがないということで、長打は物足りないものの突出した打率のイチローに票が集まったのではないかと思います。

 しかしどんな事情があったとしても、イチローのような巧打者タイプが、しかも強打者のひしめく外野手の部門でシルバースラッガー賞を取れるというのは偉大なことだと思います。

 この7年間では3年に1度ビッグイヤーが来ています。そんな変なジンクスを破って、来年はぜひとも今季のような傑出した成績を収めてほしいものです。

2007年11月09日

【MLB】2007年ワールドシリーズ顛末 (1) 承前

 終わってだいぶ経っちゃいましたが、リクエストがあったので今季のワールドシリーズについても触れましょう。試合そのものもそうですが、今回は周辺事情も含めて見るのも楽しいシリーズでした。

 まずは各リーグの優勝チームから紹介していきましょう。アメリカンリーグを制覇したのはボストン・レッドソックス。投打とも高い水準にある強豪チームです。今季は松坂大輔投手の入団、そして岡島秀樹投手の予想以上の活躍により、日本でも注目を集めました。その松坂が先発3番手であり、岡島がクローザーではないと言えば、層の厚さがわかりやすいでしょうか。打線の方も左右の2枚の大砲、デイヴィッド・オルティーズとマニー・ラミレスを中心とした重量打線です。

 リーグチャンピオンシップ(リーグ優勝決定戦)では、1勝3敗の劣勢から3連勝し、見事な大逆転優勝を果たし、勢いにも乗っています。5〜7戦目は後がないにも関わらず強豪チームらしい落ち着いた戦いぶりですべての試合を圧勝しています。

 一方のナショナルリーグはコロラド・ロッキーズが勝ち上がってきました。実は私自身があまりナショナルリーグをチェックできていないこともあり、ものすごく驚きました。以前から私はにわかファンだと言っていますが、30球団もある MLB、把握しきれないのです。ただ、その中で強豪とは言い難いと思っていたチームが上がってきたので、びっくりしたのです。

 9月は怒濤の勢いでした。11連勝を含む20勝8敗というとんでもないペースで勝ちを重ね、シーズン最終戦の勝利でサンディエゴ・パドレズとワイルドカード首位に並びました。そして運命の10月1日、ワンデイ・プレイオフが行われ、延長13回という大熱戦の末サンディエゴを下しています。その後ポストシーズンではこの勢いに乗ってフィラデルフィア・フィリーズ、アリゾナ・ダイアモンドバックスをいずれも3連勝で退け、ワールドシリーズの舞台に立つことになりました。

 日本では松井稼頭央が復活した球団というイメージが強いと思いますが、なかなか味のある選手もたくさんいます。3番を打つマット・ホリデイはシーズン終盤には観客から「MVP、MVP」とかけ声が上がる活躍を見せてくれていますし、その後を打つ4番トッド・ヘルトンは、イチローらを抑えて現役最高打率を長年キープしています。元シアトルで半シーズンほど正捕手を務めたヨルヴィット・トレアルバもがんばっていますね。

 投手では何と言ってもジョシュ・フォッグの名前を挙げたいと思います。実は成績自体は10勝9敗、防御率4.94と特別傑出しているわけじゃないのですが、9月以降、2日ブラントン・ウェブ (ARI)、9日クリス・ヤング (SD)、14日ドントレル・ウィリス (FLA)、19日ブラド・ペニー (LAD)、26日デレク・ロウ (LAD)、そして10月1日のワンデイプレイオフでのジェイク・ピーヴィ (SD) と、各チームのエース級の、要は格上のピッチャーに次々と投げ勝っているのです。(ただし14日のみ試合は敗戦。)そしてついたニックネームが「ドラゴンスレイヤー」。チームの勢いの象徴的存在と言っていいでしょう。

 そんな両チームの対決でした。下馬評ではボストン有利が伝えられています。私もそう思いました。が、短期決戦は番狂わせも起こりやすいもの。勢いに乗るコロラドが金星をあげるかもしれません。そんなことを考えながら、楽しみに見ていました。(続く)

2007年11月07日

イチロー、7年連続ゴールドグラブ賞

 今季、初めてセンターのポジションで1シーズンを過ごしたイチローですが、コンバートの影響もなく順当にゴールドグラブ賞を受賞しました。広い守備範囲とミスの少なさ、判断力、早くて正確な送球など、総合力での受賞だったと思います。同じくアメリカンリーグで受賞したのが、トリー・ハンター (MIN) とグレイディ・サイズモア (CLE) の2人のセンターですが、彼らはどちらかというと派手なプレイが評価されている印象ですね。(まあエラーも少ないんですが。)イチローはハンターと並んで7年連続の受賞となります。

 実は、年を追うごとに受賞が危ういのではないかという心配が増しています。アメリカンリーグの外野手が年を追うごとに層が厚くなっているからです。カーティス・グランダーソンのような活きのいい選手も出てきていますし、まったく油断ならない中、それでも当たり前のように受賞するすごさは、やはりただごとではないと思います。今後も、高いレベルの中で競い合って、その中で受賞を勝ち取ってもらいたいものです。

 シアトルからはエイドリアン・ベルトレイも選ばれました。昨年まで6年連続受賞だったエリック・シャベスが今季は不調であまり試合に出られなかったこともあり、確実視されていたのですが、下馬評通りの受賞となりました。今季は今までよりももっと良い動きを見せてくれていたと思います。

 実は密かに受賞を期待していた城島は残念ながら選ばれませんでした。ベテランのイヴァン・ロドリゲスが13回目の受賞を果たしています。昨年は慣れない環境で捕球もおぼつかない状態だったのに、今季は大変身して(本来の姿に戻って?)堅守を見せてくれていたんですけどね。それに、キャッチングの向上もさることながら、リーグトップの盗塁阻止率も光っていました。
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。