2006年04月30日

倫理規定くらいあるわい! 心理実験

 心理学の研究のもっとも中心的な手法は「実験」です。イメージ的には「アンケート調査」「観察」「症例研究」といったものの方がメインに思えるかも知れませんが、実は違います。で、心理学の実験というと世の人の中には結構すごいイメージをお持ちの方もいらっしゃいます。たとえば「真っ赤な部屋にずっと閉じこめられる」とか。今回はそれについての誤解を解きたいと思います。

 まず、研究というのはどういう形で発表されるかと言いますと、大学院生や教員などの研究者の場合は学術雑誌への論文投稿です。それから大学生の場合はもちろん卒業論文、あるいは手習い的な実験ならレポートという形です。つまり、いずれも文章の形にして出すわけですが、そうすると当然それを審査する人というのがいるわけです。で、それこそ単位を取るためのレポートから専門性の高い論文まで、必ず合否というものがあります。つまり、ダメなものは書いても意味がないということですね。

 そして、採否の基準は何も論文としての出来の良さばかりではありません。いくら画期的な論文であっても、人の道に外れたようなものは決して採用されたりはしません。仮にそういうヒドいものを採用していたとすれば、その学会なり大学なりは、何らかの形で(たとえば被害者が裁判を起こす、人権団体からの抗議など)強く糾弾され、研究を持続することができなくなるでしょう。したがって、心理学の実験というのは基本的に安全なものです。もし大学等からの実験参加の要請があったら、時間等が許せばぜひ快く参加してあげてくださいね。

 ただし、世の中には心理学を騙った反社会的団体も存在する可能性があります。あるいは、悪意はさほどなくても認識が甘い個人や団体などもあるかも知れません。そういう、参加が安全か危険かの簡単な見極め方も書いておきます。

1. 事前の説明がしっかりしているか
 まず、何の説明もなく実験参加要請だけ行うような実験者は認識不足もしくは悪意があります。「簡単なアンケートに答えて」だけの説明などもダメです。実験心理学の場合、データは複数人の生データを統計処理して、匿名として(というかそもそも個人の生データを単独で載せることなどあり得ない)掲載します。が、その説明がないというのはいけませんね。あと、どのくらいの時間がかかるのか、などの説明もほしいところです。深いプライバシーに関わるようなことを聞かれる可能性はあまりないと思いますが、もし聞かれたらその真意(どのようにデータを使うのか)があらかじめ説明されているかどうかもチェックしておきたいところです。

2. 実験に不快感や不安がある場合、途中であっても実験を降りることができるかどうか
 これに No が出るような実験はプラン自体がダメです。

3. 実験同意書の準備があるかどうか
 実験に同意するかどうかはあなたが決めることです。それを口約束にしないようにしましょう。これは実験者側が用意するのが筋ですので、その準備をしていないような人は研究者として認識不足に思います。

4. 事前の質問に答えてくれるかどうか
 まあ相手の不備というのも多少あるかも知れません。上記の条件が満たされていない場合は、聞き直してみましょう。聞く内容は上の項目が参考になると思います。

posted by Yosh at 14:28| Comment(2) | TrackBack(0) | つまみ食い心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月28日

「プラシーボ効果」という言葉の誤解

 「プラシーボ効果」という言葉をご存じの方も多いと思います。今日は、この言葉が非常に誤解の多い言葉であることを説明したいと思います。

 プラシーボ効果の「プラシーボ」というのは、元々はカトリック教会の言葉で「死者のために唱える聖務の晩課」という意味なのだそうです。これは元々の読みはプラセボで、英語読みするとプラチェイボになるようです。そのプラセボが、どういう訳か科学の専門用語として転用され、読みもプラシーボに変わってしまいました。日本語では「偽薬効果」とも訳されます。

 では、どういう意味なのか。手元の英和辞典の訳がよくまとまっているのでそのまま引用させてもらうことにします。
「プラシーボ効果 《偽薬の投与による心理効果などで実際に患者の容態がよくなること》.」
(『リーダーズ英和辞典』より)
 一般に専門用語に関しては、必ずしも辞書が意味を正確に捉えているとは限りません。しかし、今回は珍しく(と言っては失礼かな)非常に適切にまとめられています。

 たとえば生理食塩水などの薬効がないことが知られているものを、薬と称して患者に投与するとします。形式は錠剤でも注射でもなんでも構いません。それで病気が改善されたら、それはプラシーボ効果があったと言えます。人間の思いこみの力というのは意外とあるものでして、そういうことは実際にあり得ます。そういう意味では、「病は気から」ということわざは割と科学的です。

 さて、この言葉を知っている人は多くの場合、これを拡大解釈して誤解しています。世間でよく使われる間違った意味は、こんな感じです。
「○○してみたら、××になった気がするよ。」→「それはプラシーボ効果だ」
 たとえばこんな感じです。
  • 「高い食器でお茶を飲んだら美味しいね。」
  • 「パソコンのマウスを買い換えたら、何かパソコンが軽快に動くようになった気がする。」
  • 「この錠剤を飲み続けたら、何か体が軽くなった気がする。」

     以上の例は言っていることが本当かどうかわかりません。1つ目は明らかに気分の問題で、お茶の成分が大きく変わったとはちょっと考えがたいので、気のせいと言って良いでしょう(気のせいだから悪いというわけではありません)。2つ目は単にマウスカーソルの動きが良くなっただけなのを、パソコンそのものが軽快に動くようになったと思いこんだのだとしたら、それは勘違いでしょう。この、1番目、2番目の例のように気のせいや勘違いが起きているときに、それを指摘するために「プラシーボ効果」という言葉を間違って使うケースを非常に多く見ます。これらは単なる「暗示」で、「プラシーボ効果」ではありません。

     では、暗示とプラシーボ効果とはどう違うのでしょうか? それは、3つ目の例をよく見ていくことで説明していきましょう。3つ目の例は薬の話。ここでポイントなのは、発言者の気持ちが「単なる気のせい」なのか「実際に薬効があった」のかということです。もう一度「プラシーボ効果」の説明を読んでみてください。「偽薬の投与による心理効果などで実際に患者の容態がよくなること」とあります。たとえば高血圧の人の場合、実際に血圧が落ちているかどうかが問題なのです。血圧が落ちてもいないのに気分だけ良くなっても、それは単なる気のせいであってプラシーボ効果ではないのです。
  • posted by Yosh at 20:38| Comment(0) | TrackBack(0) | つまみ食い心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2006年04月26日

    水夫たち、白い靴下に踏みつぶされる

     またしても MLB 関連のオモシロ見出しです。おわかりかと思いますが、シアトルがシカゴ・ホワイトソックスにボコボコにされた今日の試合を評してのものです。相変わらずユーモラスな見出しに心がなご……まねーよ。チックショー!!

     それはさておきイチローがだいぶ調子を取り戻してきました。しばらく打率の方が1割台を低迷していたのですが、今日の段階でようやく.275まで戻してきました。多分大丈夫だというのは頭ではわかっていても、やはり多少の不安がよぎってしまうのがファン心理というもの。少し安心しました。今年はぜひテキサスのマイケル・ヤングと首位打者争いをしてもらいたいものです。

     実はホワイトソックス戦は私にとって少し複雑です。というのも、このチームも好きなんですよね。特に明日はエースのマーク・バーリーが投げるのですが、この選手が特にお気に入りなのであんまり打たれてほしくないんですよね。とはいえシアトルは早くも地区最下位でずるずる行きそうなので、負けるわけにはいかないのですが。ああ困った。

    2006年04月25日

    日本の野球場にまつわる失望感

     今日はたった1日で2つもがっかりさせられるニュースが入ってきました。いずれも、日本プロ野球の本拠地球場に関するものです。

     ひとつは「オリックスが大阪ドームを買い取る見込み」というもの。実際にはこれは既定路線だったので衝撃こそ少ないですが、「やっぱりね、あーあ。」という感は否めません。オリックスは日本最高の球場と最低の球場を同時に持つ球団ですが、その最低の方を救ったことから、最高の球場を使う気がないんだということがよくわかりました。そもそもオリックス自体が伝統あるブレーブスの流れをくむブルーウェーブを捨ててバファローズを買い取ったんだから、こんなことをするのも目に見えていましたけどね。

     そしてもうひとつ。広島に建設予定の新球場の建設案として、コンペティションによって選ばれた、通称「竹中案」が市によって却下されました。これにより、またまたまた新球場が白紙に戻りました。一応、市からは2009年のオープンを目指す旨は変わっていないという説明はありましたが、結局は相変わらずロクな舵取りができないことを再度露呈する結果になりました。このごたごたぶりは「やる気あるの?」と非難されても仕方がないですね。確かに竹中案自体の問題点や、コンペがコンペになっていないという問題点もありましたが、あまりにも迷走しすぎています。

     いずれの件にしても言えることですが、自治体の政治家の皆さん、地元の経済界の皆さん、支える市民やファンの皆さんに言いたいのは、「野球場は野球を第一に考えてください」ということです。野球を第一に考えるというのにはいろいろありますが、その中でも「オープン型天然芝」は大前提と言えます。もちろん経済は大切です。しかし、本来野球を第一に考えると言うことと、経済事情を加味するということは決して矛盾しないはずです。

     その証拠に、ほとんどの球場が屋外型(開閉する屋根がある場合もあるが基本的にオープンの)天然芝でやっている MLB は、たいていの球団が黒字です。あるいはプロ野球よりももっと牌の小さいであろうサッカー J リーグのスタジアムは当然天然芝です。維持費がかかって仕方がない? じゃあ何でこんなにたくさん実現できている例が挙がるんですかね? やる気がないだけじゃないですか。特に球団は、もっと真面目に経営を考えてください。そうすれば、行き着く先は間違いなく「野球を第一に考える」になります。

     

    2006年04月24日

    ムカつく時!

     皆さんは最近、腹の立ったことはありますか? 最近でなく昔でも構いませんが、何かに対して怒りを感じた記憶があるでしょうか? それを、軽くで良いのでいくつか思い出してみてください。

     人間はどんなときに頭に来るのでしょうか? そんなもん人によるに決まってます。しかし、その人による“怒りのツボ”に何らかの共通点が見いだせるとしたらいかがでしょうか? そんな無茶に近い問いに対して、大昔から心理学はいろいろなアプローチを試みてきました。そしていろいろな学説が現れました。中には否定されたものもあり、あるいは一定の説得力はあるけど不十分なもの、まだ十分に検討されていないものなども多くあります。そんないろんな学説の中で、まだ決定版とまでは言えないけれども、私が強い説得力を感じているものを簡単に紹介しましょう。

     その学説は端的に言うとこんな感じです。
     人は誰しも“俺ルール”を持っている。その俺ルールを踏みにじられたら腹が立つのだ。
     さて、冒頭でお願いしたことをもとに考えてみてください。「自分がどんなときに腹が立ったのかを思い出してみてください」という奴ですね。どうですか? 当てはまってますか?

     ちなみにこの“俺ルール”というのは、ほとんど無意識に持っているものの場合もあれば、強い信念のようなものもあります。政治的信念や一般常識、あるいは単なる好みもやはり俺ルールです。譲れない一線と言い換えても良いかもしれません。以下は、私が適当に考えた(架空の)俺ルールの例です。
  • 人前に出るときは、口臭くらい気を遣う。
  • 人殺しなんて絶対許せない。戦争を起こすことは国家レベルの犯罪。
  • 女性は痴漢に遭わないように細心の注意を払うのが当然。
  • 買い物は安いものを厳選すること。
  • カラオケの曲予約は順番を守る。
  • 電車の中で携帯電話の電源を切る。
  • サラダは塩で食べる
     ……と、こんな感じ。たとえば最後の俺ルールを持っている男性が、つきあい始めの彼女と食事をしたとしましょう。その彼女の持つ俺ルールが「サラダというのはドレッシングで食べるものだ」だとしたらどうでしょうか? 彼女が当然のようにサラダにドレッシングをかけ始め、それが元にケンカになるかも知れませんよね。些細なケンカというのは、こんな風に始まる訳です。

     数ヶ月前ですが、ヨーロッパのどこかの国の新聞にイスラム教を侮辱するような風刺漫画が掲載されたことで、イスラム教国の人々が大きな反発をしたという事件がありましたよね。お互いの言っていることがあまりにかみ合っていないのが印象的でしたが、それもこの「俺ルールの違い」というのを元に考えると理解しやすいんじゃないかと思います。

     このことをよく知っていると、無駄に怒っちゃうことが格段に減ります。ある意味で究極の生活の知恵かも。めちゃお役立ちですよ。もちろん時にはどうしても怒らなければならないときもあるでしょうが、変なことで変に腹が立つ機会が減るだけでもかなり心身共に健康的かと思います。
  • posted by Yosh at 22:04| Comment(4) | TrackBack(0) | つまみ食い心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2006年04月23日

    プレイの感想書きました

     先日紹介した2つのゲームですが、きのう遊んでみたので感想を付け加えました。ぜひよんでみてくださいねー。

    2006年04月22日

    "Rocketville" 『ロケットシティ』

    「こんにちは、CNNBCBS 放送局のリン・ライトイヤーです。今、ロケットシティは市長選の真っ最中。5人の候補者がここで最後の演説合戦を繰り広げています。この地区で、住民たちのハート、あるいは CPU を掴むのは誰なのでしょうか? あっ、たった今グリン候補が演説を終えて次の遊説地に向けて、ロケットに乗り込もうとしています。ちょっとインタビューをしてみようと思います。グリンさーん。」
     というわけで、舞台ははるか未来の宇宙都市。テーマは市長選という不思議テイストなゲーム『ロケットシティ』(例によって邦題は私が勝手につけています)を紹介します。こちらはアメリカ産のゲームです。

     プレイヤーは市長選候補となって、富裕層区、工業地区、貧民区など36区画に分かれたシティ中を演説して回ります。この“演説する”というのは手持ちのカードを出すことです。そこにはいろんな選挙公約が書かれており、それがどのくらい住民の支持を得るか数字で書かれています(高い数字はよく支持される公約ということです)。

     選挙公約の内容自体はゲームに何の意味もないのですが、よく見たら結構おかしなものがあって「もうロボット災害は起こしません」とか「金持ちには新税を適用しません」とか、そういうことが書かれています。笑ったのが「市の財政改善のために新税を導入します」という公約は、ポイントが異常に低いこと。ちょっとした風刺にもなっているのですね。

     公約にも支持を得やすい場所とそうでない場所があります。たとえば先ほど紹介した「金持ちには新税を適用しません」のカードは富裕層区では莫大な支持を得ますが、それ以外の場所だとブーイングものです。適切な場所で適切なカードを出せるのかというのが戦略のポイントとなるでしょう。

     このようにして演説により人気獲得合戦を行っていき、最終的に一番人気の高かったプレイヤーが市長に当選し、勝者となります。

     見た目はテクノポップ調+カートゥーン調といったところでしょうか。公式サイトで写真が見られますので、ぜひ見てみてください。

    プレイヤー人数:3〜5名
    ゲーム時間:45分
    対象年齢:10歳以上
    発売元:Avalon Hill

     これも遊んでみました。カードを出し合うだけのようなゲームなので簡単で、展開が速いですね。ストレスなく遊べました。ただ、やっぱりもう1人くらいほしかったな。これも3人で遊んだんですが、ちょっと途中の展開が見えすぎる感がありました。4〜5人だと、もう少し混沌としておもしろかったんだろうなと想像しています。

     勝利ポイントに相当する「人気」はゲーム中はそんなには上下せず、最終計算でぐっと上がります。そのため、プレイ中は和気藹々と、そしてゲームが終わってからヒートアップする感じがちょっと不思議テイストでした。もちろん他にもそういうゲームはたくさんあるのでしょうが、これはちょっとその傾向が極端な気がしますね。

     あと、ゲーム自体は単純なので慣れてきたら「後援者カード」の選択ルールを使うこともできます。ゲーム中に1枚だけ出てきて盤上を荒らし回る変な後援者、これも魅力的です。

     1つ残念なのは、このゲームの魅力のひとつにカードそのもののおもしろさというのがあります。それが(もちろん)英語で書かれているので、その雰囲気込みで楽しんで初めてゲームを堪能したことになると思うのですが、そこが日本人的には辛いところです。淡々とやってもそれなりに楽しめますけど、やはりそこも込みで遊べれば最高ですよね。たとえば貧民区で受けの良い公約として「ロボット・ストリップは免税!」なんてのがあります。こういう小ネタを流されるのは悲しい……。

     今度は4〜5人で遊んでみたいですね。多分プレイ感覚が変わるはず。

    2006年04月20日

    "FRIESEN TÖRN" 『フリスラントのヨット大戦』

     はいはいー。今日はドイツのゲームを紹介しちゃいますよ。今回は『フリスラントのヨット大戦』という日本語訳を当てたゲームです。ちなみにフリスラントというのはオランダ北部の州です。あまり情報がないのですが、旅のサイトを見ていると(たとえばこの辺)割とヨットが盛んなところみたいですね。

     このゲームは10センチ×10センチ×45センチくらいの細長い箱に入っています。これは珍しいですよね。で、中身を広げてみると大きなマット(ゲーム板として使うようです)と、小さな(といってもボードゲームのコマに使うにはかなり大きめの)ヨットが6つ。後はトランプ大のカードとチップ類が入っています。写真の方もご覧ください。箱には3〜6人で遊べると書いてあるよう。ふむふむ。

     さて、これで何をするのかというと、お互いのヨット同士を過激にぶつけ合います。ルールは簡単。
  • 手元にある6枚のカードから1枚を選んで、みんな一斉に出す
  • 1〜98の数字と、移動手順(「前2マス」とか、「90度左旋回して前1マス」とか)が書かれているので、小さい数字を出した人から順に動かす
  • 敵のヨット(自分以外のヨットは5つあり、全て敵です)にぶつけたらポイントをゲット
  • その時、正面衝突したらガチンコということで相手もポイントをゲット
  • 横とか後ろからぶつけられると、ショボいのでダメージを受ける

     これでポイントを競い合います。すごく単純ですね。でもかなり熱いゲームなんじゃないかと思います。

     ちょっと変わっているのが、このゲーム4〜5人で遊ぶときにはプレイヤーのものではない船が存在するんですよね。そして、それも独自で(要はカードを適当に引いてその通りに)動きます。なので、下手をするとその誰も操作していない船に勝ちをさらわれてしまい、全員が負けになることもあります。これには少し笑いました。

     さてさて、これも未プレイです。でもすごくおもしろそうなので、今回もプレイしたら感想をレポートします。

    プレイヤー人数:3〜6名
    ゲーム時間:45分
    対象年齢:10歳以上
    発売元:franjos

     そしてやってみました。集まったのは私を含めて3人。実は3人プレイだと、1人が2隻を動かさないといけないんですよね。カードを2枚選んで出さないといけないので、ちょっと時間がかかってしまう。なので、少なくとも慣れるまでは4人以上でのプレイをお薦めします。あと、慣れてきたらカード選びには時間制限を設けた方が良いのかも。

     これがゲームが終わった直後の感想です。つまり、やってみるとちょっともたつく感じがしたんですよね。ここはルールを読んだだけの時は想定していませんでした。ですから、上に書いたような時間がかからない工夫をしたほうがよさそうです。

     その点を別とすれば、やはり思ったとおりなかなか熱いゲームのようです。ルールが簡単なのがいいですね。「カードを出す→カードの通りに動かす」しかやることがないので、子どもや普段あまり遊ばない人でも楽しく遊べますし、読みや駆け引きもありますからよく遊ぶ人も楽しめます。
  • 2006年04月19日

    予知夢の科学

     「予知夢」と呼ばれる現象があります。これは、夢で見たことを現実にも体験するというものです。オカルトっぽい話ですが、同時にロマンティックな話でもあり、不思議な現象として取りだたされます。では、なぜこんな現象が起こるのでしょうか?

     実は予知夢は、ごく簡単に科学的な解釈が可能です。考えられる原因は非常に数多くあります。まず、もっとも単純なのが報告者の嘘や思いこみに類するものです。次に、夢の性質を考えたら予知夢のような現象が起きうるのは当たり前という理由もあります。「嘘」については説明は不要でしょう。ですから、残りの2つの理由について簡単に説明したいと思います。

     「思いこみ」というのは、夢で見た「つもりになる」ということです。人間の記憶は大変当てになりません。時間が経つごとに、どんどん薄れていくだけでなく、変形もします。記憶が変質するのは、人間は物事をそのまま写真のように認識するのではなく、大ざっぱに認識するのが得意だからです(記憶の話とは少しずれますが、この大ざっぱな人間の性質は以前書いた「基本的帰属錯誤」「カクテルパーティ効果」が良い例でしょう)。ましてや夢のこととなると、目覚めた瞬間にもう忘れてしまっていることもよくあります。そんな風に当てにならない記憶、これが、予知夢の原因のひとつとして挙げられるでしょう。この点をもう少しつっこんで説明するため、「既視感」という概念を説明しましょう。

     既視感、いわゆるデジャ・ヴュという言葉を聞かれたことがあると思います。初めて見るはずの光景なのに、以前見たことがあるような気がするという現象ですね。この現象、すでに科学的に説明がなされています。それによると、既視感は以前見た別の光景に部分的に重なるところがあり、それが記憶のあいまいさと重なって「見たことがある」と錯覚する現象であることが知られています。あるいは「以前」というのが実は数秒前の話(つまり本当に単に初めて見た光景)で、それなのに昔見たかのように錯覚しただけという説もあります。ですから予知夢というのは、「あ。これ前に見た!」の代わりに「あ。これ夢で見た!」という既視感の変形である可能性があります。

     予知夢が発生するもうひとつの理由は、夢の性質によるものです。脳科学の発達により、夢はかつて精神分析学者たちが主張していたような無意識の投影ではなく(つまり夢分析は非科学的なものです)、脳に蓄えられた知識や記憶などをまとめて入れ込んだ闇鍋のようなものであることが知られています。別の例えをすると未編集の映画のフィルムを適当につなぎ合わせたものとも言えるでしょう。また、人はたいていの場合毎日眠り、そして覚えているかいないかにかかわらず眠っているときには必ず夢を見ます(夢を見ないという人もいますが、それは単に覚えていないだけです)。さらに、かつては夢を見ている時間と見ていない時間があるとされていましたが、これも研究によれば「実際には絶えず夢を見続けているのではないか」という説も出てきています。

     さて、今世界の人口は65億人を超えています。亡くなられた人を含むと何人になるかわかりません。そんなたくさんの人が、毎日寝る度に夢を見ます。単位は億なのか兆なのか、それ以上なのかもわかりませんが、それだけたくさんの時間、人は夢を見ているのです。その中で偶然現実とクロスオーバーすることがあるのってちっともおかしなことではないですよね。むしろ現実に全くかすりさえしない方が気持ち悪いくらいで。

     ましてや人間はかなり大ざっぱなので、ちょっとかすっただけでも「予知夢だ」と感じる人も多くいることでしょう。たとえば、
  • 災害後にたくましく暮らしていく夢を見たら、現実で震度4の地震が起きた
  • 好きな歌手のライブに行く夢を見たら、現実でその歌手の新しい CD が発売されることが発表された
  • ペットが逃げていく夢を見たら、2週間後にそのペットが死んでしまった
    などなど。ここまで範囲を広げると、ヒット率はかなり高くなることでしょう。

     予知夢はこれらの原因で十分に説明可能です。無理矢理オカルト現象にこじつける必要はないと言って良いでしょう。
  • posted by Yosh at 09:46| Comment(1) | TrackBack(0) | つまみ食い心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2006年04月18日

    JR 福知山線脱線事故と PTSD 対策

     早いもので JR 福知山線の脱線事故からもう1年が立つようです。ウェブのニュースで気になる記事があったので、簡単に引用したいと思います。その記事は「訪問ケア、受け入れゼロ=「話す気にならない」−遺族の心に傷・JR脱線事故」というタイトルです。(ウェブ記事はすぐに消えてしまうのでリンクは貼りません。)
     (前略)JR福知山線脱線事故で、兵庫県が心のケアを目的に始めようとした専門スタッフの戸別訪問について、遺族側が働き掛けに積極的になれず、まだ1件も実現していないことが18日、分かった。「話す気にならない」というのが主な理由。(後略)
    (時事通信) - 4月18日6時3分更新

     大きなストレスのかかる事件(この事故のような社会的に大きなものに限らず、個人的なことであっても)を体験したとき、人は PTSD と呼ばれる状態になることがあります。PTSD とはポスト・トラウマティック・ストレス・ディスオーダー(心的外傷後ストレス障害)の略です。この言葉自体は病名と言うよりも、心身に何らかの症状が出たときの理由を説明するための用語ですね。実際、PTSD と思われる人たちに現れる症状は簡単には説明しきれないくらい多様です。それでも少しだけ挙げておくと、「パニック障害」「鬱」「睡眠障害」などです。

     それにしても大変悲しい話です。なぜなら、結果として被害者の方々が非常に有効な治療となるやり方に後ろ向きだからです。嫌なことがあったら触れたくないというのは、ごく自然な感情であり非常に理解しやすいものです。しかし残念ながら、忘れてしまおうとするだとか、考えないようにするのは良い結果を生みません。実は、一時的には苦痛であっても、話をしたり、感情をあらわにしたほうが長い目で見ると PTSD 対策として有効なのです。

     今回は長くなるので、なぜそうなのかという理屈の部分は説明しません(もし知りたければコメントでリクエストしてください。)。しかし、本当に辛いことがあったとき、我慢しても何の得にもならないことは知っておいて損はないと思います。その知識はあなた自身のためになるかも知れませんし、あなたの大切な人のためになるかも知れません。
    posted by Yosh at 09:27| Comment(0) | TrackBack(0) | つまみ食い心理学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2006年04月15日

    "The Nacho Incident" 『タコス事変』

     さて、今回紹介するのは"The Nacho Incident" というアメリカのゲームです。ナーチョというのはメキシコ料理で、タコスの皮にも使われているトルティーヤをベースにしているものです。ただ、それだとちょっと日本人にはなじみがないので、和訳タイトルは『タコス事変』にしてみました。

     どんなゲームかと言いますと、メキシコ料理が大好きなカナダ人にご禁制のメキシコ食材を密輸して大もうけをしようというものです。おバカな設定ですが、変なところが無駄に凝っています。運ぶ食材は「とうもろこし」「豆」「トルティーヤ」「サワークリーム」「とうがらし」「オリーブ」「たまねぎ」「サルサソース」の8種類。個人的にはどう見ても密輸の必要性を感じないのですが、どうやらこの世界のカナダはそういう法律らしい。また、運び先もカナダの4つの州の中から選べます。それぞれたとえば「今、ケベック州に行けばとうがらしが9,000カナダドルで売れる! 先着1名」といった風に損得が決まってます(ゲーム中にころころ変わりますが)。お子さんにとっては需要と供給という経済の原則を学ぶ良い教材に……ならないか。

     で、これをプレイヤー子飼いの密輸人(カードになっていて、各人8枚持っています)で競争して運びます。ここでトロいことをしていると他の密輸人に出し抜かれて儲けられないかも知れません。というわけで密輸人には足の速さが決まっています。いちばん遅い「1」のカードには一輪車乗りが描かれているというのもおバカですね。ちなみに4だと自動車、5だと犬ぞり、8だとハンググライダー、9だと UFO に乗ってますけどね。そして巧く密輸を終えたら、カナダで裏酒場を経営してタコスを売り、さらにもうひと儲けします。

     しかし悲しいかな腕の良い密輸人はどうしても目立ってしまい、マウンティ(カナダ王立騎馬警察)にすぐ目をつけられてしまいます。そうなるといかに敏腕の密輸人も観念しなければなりません。逮捕されてしまい、以降そいつは警察と一緒にいなくなります。……まあ代わりはいくらでもいるのですが。

     そうこうしてゲームが終わったときに、いちばんお金持ちの人が勝ちです。今、特に遊んでみたいゲームなので、実際に遊んでみたら感想もレポートします。

    プレイヤー人数:2〜4名
    ゲーム時間:30〜45分
    対象年齢:10歳以上
    発売元:Eight Foot Llama


    ※4月16日付記
     というわけで遊んでみました。モティーフがおバカなので、それなりにバカゲーなのかと思いきや、意外や意外と考えさせられるゲームでした。世の中のゲームを、座興的な「パーティゲーム」と、ゲームそれ自体を目的としてプレイされる「ゲーマーズゲーム」に分けるとすると、これは明らかにゲーマーズゲームですね。つまり、ある程度訓練されたボードゲーマー向けに思えます。フゥハハハーハァー。

     手番自体はかなりすんなり進みます。ですから人のプレイを待って退屈になるようなことはあまりありません。今回は初めて遊んだので説明の時間が長くかかったこともあり、1時間と少々かかりました。説明込みですからまあそんなに長いゲームじゃないですね。それでも、どの密輸人を使うのか、どこで何を売るのかなど、悩み所はたくさんあります。実際に遊ぶと、その、悩む部分が楽しいゲームということになるでしょう。

     というわけで、それなりにボードゲームを好きな人(といっても、別に5時間のゲームに耐えられる人とかそこまで大げさじゃないです。)にお勧め。あと、やり方がわかってきた2回目3回目辺りからおもしろさが増していくんじゃないかと予想してます。

    「本通ヒルズ」の名は広島の恥

     本通りの老舗である2店「多山文具」「渡部陶苑」の敷地を利用して、でかいビルが立つそうです。2店とも落ち目のイメージがあったので「ああ、撤退するのね」と思っていたらそうではなく、その2店が共同で出すのだそうで。意外です。だって多山文具は東急ハンズができて以来、あからさまに客が減っているように見えていたし、渡部陶苑は接客等ですごく評判悪いですしね。なんだ、意外と儲かってるじゃん。そして、その建てたビルの中にこの2店舗も入るのだそうです。

     まあ、それ自体は良いのです。問題はそのビルが「本通ヒルズ」という恥ずかしい名前であること。さすがに失笑を禁じ得ません。格好悪ぅー。そもそも都会にあやかろうという発想自体が洗練されていない証拠。野暮の真骨頂と言えましょう。なんか外国かぶれにも似た薄っぺらさを感じます。誰か反対しなかったのかよ……。
    posted by Yosh at 02:57| Comment(9) | TrackBack(0) | 広島のこといろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    たまたま見つけたかわいい物

     オランダ北部のフリースラント州の旗。無駄にラブリー。
    posted by Yosh at 00:32| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑記帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2006年04月14日

    "Mall of Horror" 『恐怖のショッピングセンター』

     というわけでボードゲームの紹介をしたいと思います。第1回目は『モール・オブ・ホラー』です。日本語だとさしずめ『恐怖のショッピングセンター』といったところでしょうか。アメリカのゲームです。

    《概要》
     『モール・オブ・ホラー』は、コンピュータゲームの『バイオハザード』のような雰囲気のボードゲームです。要はゾンビがうろつく街をなんとか生き延びるのが目的という訳ですね。

     各プレイヤーには「銃を持ったちんぴら」「マッチョ」「美女」の3つの人物駒が渡されます。ゲームの終了時に生き残らせることのできた人物がいれば、その分のポイントが入るというわけです。おもしろいのが「ちんぴら」を生き残らせても3点しか入らないのに、「美女」が生き残ると7点も入るところですね。人間の命は、今イチ平等ではないようです。

    《見どころ》
     まずぱっと目を引くのが見た目のかっこよさです。ちょうど中身を見ることのできるページがありましたので、ぜひ見てみてください。こういうセンスの絵はこの業界ではちょっと珍しいかも?

     そして実際に遊んでみると、見た目だけでないおもしろさが満載です。ゾンビ映画の醍醐味といえば、実はゾンビそのものというよりも往々にして人間同士の醜い争いだったりしますよね? それをこのゲームでは上手く再現してくれています。

     たとえば、
    「今スーパーマーケットに4人の人がいる。5体のゾンビが襲ってきた! 誰かが食べられてしまう!!」
    という状況が発生したとします。この時誰が食べられるのかは、プレイヤー同士の多数決で決まるのです。さすがは民主主義の国アメリカのゲームですね。

     そしてゲームの終了条件もヒドくて笑えます。
    1) 全プレイヤーの人物駒が全て一箇所に集まったとき(各場所には定員が決まっており、よほど人数が少なくならないとそうはならない)
    2) 残りの人物駒が4つになったとき
    このいずれかになると軍の救助隊のヘリがやってきて、生き残った住民を助けてくれるのです。役に立たねぇ! 普通に遊ぶと人物はたくさん残ったとしてもせいぜい2つがいいところ。普通は1つかゼロになります。

     とまあこんな感じ。気の合う仲間とげらげら笑って遊ぶと良いと思います。あと、ゲームの手順がちょっときちっと型にはまっている感があるので、ルールに詳しい案内役が1人いるとベターでしょう。

    プレイヤー人数:3〜6名
    ゲーム時間:60分
    対象年齢:14歳以上
    発売元:ASMODEE Editions

    ◆他の方の紹介記事
  • コマンドいちねんせい Z
  • ホビージャパン ゲームBlog
  • 2006年04月13日

    ブログ書けない対策

     最近ブログをサボってますが、一応生きています。

     サボってた理由はいくつかあります。まずは単純にネタがなかったこと。全くない訳じゃないんだけど、書こうと思ったらスゲー長くなりそうで書く前からくじけたとか、そんな感じ。書いてみたらしようもなかったのでやめたりとかね。あとは単純に何も思いつかなかった日も結構ありました。

     それから別の理由はお仕事。といってもほとんどボランティア同然の、生きて行くにはほとんど役に立たないお仕事なのですが、それでもまあ、楽しく働いてました。

     そして何より大きいのがここ最近のイチローの不振です。あれだけヒットが出ないイチローは久しぶり。いつかは復調するとわかっていてもやはり心穏やかにはなれないものです。今日、久々のヒットが出てホッと安心していたら大当たりの日で5打席4打数3安打1四球、出塁が全て得点になるという活躍を見せてくれました。これでやっと精神の安寧が保てます。たかだか野球に気分を左右されるのって、バカみたいな話ですけど私にとってはバカにならないんですよね。もちろん人前でそんなのが表に出るようなことはまずありませんが、ひとりで部屋にいると、こう、割と活動水準に影響を与えます。

     とまあ、ブロガーの皆さんも私のように書けないときってのがあると思います。そういう書けないときにどうすればよいのか、それを伝授しましょう。

    1) 書かない
     意外と大丈夫です。世の中には更新をやめたからサイトやブログをやめる人がいますが、そんな必要はありません。意外と長年放置しておいても、誰も文句なんか言いませんよ。むしろ突然再開したら歓迎されるくらいです。

    2) ネタがないことをネタにする
     まあ決して上手なやり方ではないのですが、1) で心配な人は1回だけ、せいぜい月に1回くらい使うと良いでしょう。

    3) シリーズものをでっち上げる
     同じ形式で書けるシリーズものをでっち上げると楽です。もちろん自分の言葉で書くのが理想ですが、単にどこかから何かをパクってくるだけであら不思議。たちまちおもしろ記事のできあがり。極端な話、よそからの転載だけでも選ぶセンスが良ければ人気サイト・ブログになれますよ。(例:「ワラタ2ッキ」「神動画.com」)

     と、こうしている内に私も新しいネタを思いつきました。今まで手がけていなかった、ボードゲーム紹介を多少なりとやっていくのもいいかなと。興味ある人はお楽しみに。ない人はスマン。
    posted by Yosh at 21:16| Comment(4) | TrackBack(0) | 当ブログについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2006年04月10日

    世界一恐い!? ストーカー

     大学院時代心理学を専攻していたこともあり、学生の頃から割とよくストーカーについて質問を受けたり、相談を持ちかけられたりします。深刻なものでなくても、単に雑談の中に出てくる場合もあります。そうしているとそれが結構な蓄積になってくるんですよね。で、基本的にはプライバシーの問題等もあるのであまりその手の話を書くことはできないのですが、ちょっとおもしろい(不謹慎失礼!)小ネタで、あまりプライバシー問題にならないような話がひとつだけあるので紹介しましょう。それが、このタイトル「世界一恐い!? ストーカー」の話。

     ある若い女性がストーカーの被害に遭いました。執拗なストーカー行為を受け対策を立てる必然性に駆られた被害者の方は、父親に相談しました。なぜ警察ではなく父親に相談したのかというと、実は大変頼りになる人だからです。なんせ彼の肩書きは「○○組・組長」なのですから。

     結局、組の若い衆が出てきてその加害者と「話を」つけた結果、ストーカー行為は止まりました。しかし、本当に話だけで済んだんでしょうかね? コワー。

     というわけで、世界一恐い(思いをした)ストーカーの話でした。
    posted by Yosh at 21:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2006年04月08日

    4th MEDIA に入ってみたよ

     新しいタイプのテレビメディアのひとつ ISP フリー TV サービス、「4th MEDIA」に加入してみました。いい加減地上波だけでは我慢できなくなっていて、ずっと何かに加入したかったんですよね。

     でも何で「スカパー!」でもケーブルテレビでもなくこれなのかというと、理由は2つ。まず、初期コストが異様に安かったから。普通ならチューナー約2万円、初期設定費用約5万円、月額基本料金とフリー TV の月額料金が合わせて約3千円というのが本来の価格なのですが、つい先日までやっていたキャンペーンでこれらが全て無料になっていたんですよね。月額の費用も3ヶ月無料。だったら試してみるのも良いかなと。(途中退会の違約金の規約も特に見あたらなかったし)それから、我が家の場合スカパー!もケーブルも加入しづらいんですよね。マンションなんですが、管理人がその辺にうるさくて無理っぽい。つまりこの手のサービスに加入しようと思ったら、この辺くらいしか選択の余地がないからでもあるのです。

     お目当ては主に野球。あとは MTV とか音楽系の放送も楽しみですね。細かいところいろいろ不満もあるんですが、まあただで見られる内は評価期間だと思っておきましょう。
    posted by Yosh at 13:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 本とかTVとかネットとか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2006年04月05日

    2006年開幕戦 シアトル対ロサンジェルス・エインジェルズ

     さて、海の向こうでもシーズンが始まりました。シアトルは地元セーフコ・フィールドで同じ西地区のライバル、ロサンジェルス・エインジェルズと対戦しました。この開幕戦、珍しく地上波で、それも見ることのできる時間でテレビ放送をやっていたので観戦しました。

     結果は残念ながら5-4で惜敗でした。さすが同地区の優勝候補だけあって、少々崩れても大崩れせず、ギリギリのところで食い止められました。それでも先発のエース、バートロ・コロンやクローザーのK−ロッドことフランシス・ロドリゲスから点を取れたことは、今後の戦いにつながってくることでしょう。

     今日は城島健司捕手のデビューの日でもありました。そしてそのデビュー戦でホームランを打って反撃の口火を切るなどの活躍を見せてくれました。素人見解ですが、良い振りをしていたように見えましたし、打つ方はなかなか期待できそうです。肝心のリードの方は、敵味方両方の選手の特徴を掴むまで少しだけ時間が必要かなという印象。とはいえ城島らしさも随所に垣間見えたので、あまり大きな心配はないように思いました。というわけで今季の城島の打撃成績予想はこんな感じです。
    130試合、打率.290、本塁打 15、打点 65

     捕手は一般に他の野手よりも出場試合数が少ないことも考えるとこんな感じかな、と。シルバースラッガー賞も狙えるんじゃないかなとすら思ってます。とは言え私の予想はよく外れるので、変な呪いみたいにならないように祈ります。

     あと9回にはペタジーニのホームランも飛び出しました。シアトルの救世主になってほしいものです。ペタジーニが5番を打てるようになれば、ベルトレーも打順を下られるし復活が期待できるんだけどなあ。

     今年は去年よりもう少し観戦環境が良くなったので、できる限り MLB の試合を見ていきたいと思います。あ、日本の野球もできるだけ球場に足を運びたいと思います。

    2006年04月03日

    鉄人たちの背景

     今やすっかり阪神タイガースの「アニキ」となってしまった金本知憲外野手が、大記録達成間近なのだそうです。その記録とは、連続全イニング出場試合数の世界記録(恐らく)です。現在、世界記録であろうと言われている(記録が膨大すぎて調べ切れていないため絶対とは言えないらしいけど)のは、2001年に引退したカル・リプケン・ジュニアの903試合ということで、現在899試合の金本選手はあと4試合でタイ記録、あと5試合で新記録となります。

     さて、この素晴らしい記録を目前に控えた金本選手ら、いわゆる鉄人と呼ばれる人たちには共通点があります。もちろんそれは普段の自己鍛錬による故障に強い体作りや、全力でありながら故障のしづらい体の動かし方(死球を避けるのが巧いなど)といった、個人の努力に属するものが大きいでしょう。また、監督の協力も必要です。特に最近はメンバーを固定しない戦い方が主流になってきていますので、今後この手の記録を作るのは極めて難しいことと思われます。しかし、それとは別のもうひとつの外的要因があるように思います。それは、グラウンドです。連続試合に関連する記録を持つ日本人選手について見ていきましょう。

  • 金本知憲選手:広島→阪神
  • 衣笠祥雄選手:広島
  • 松井秀喜選手:読売→ニューヨーク・ヤンキーズ

     金本、衣笠両選手が所属した広島の本拠地、広島市民球場は土と天然芝の球場です。現在金本選手が所属する阪神甲子園球場も同じく。松井秀喜選手がかつて所属した読売の本拠地である東京ドームは人工芝ですが、FA による移籍を引き留めるために天然芝に近い人工芝を導入するということまで行っています。しかし結局、天然芝だらけの MLB に行ってしまいました。

     良い選手の良いプレイを長く見続けるには、天然芝の球場というのが第1の条件なのかも知れません。あの金本選手ですら、人工芝だらけのパリーグでプレイしていたら、もしかしたらもしかするかも……。それはまあわかりませんが、とにかく質の良い環境でのプレイが大記録の後押しをしていることはまず間違いないでしょう。

     何でもアメリカの真似をすれば良いというわけでもないですが、こと野球場に関しては見た目も美しく、選手の思いきったプレイが期待でき、故障しづらい天然芝を使った球場が大多数のアメリカは、野球文化という点では先進国と言えます。現在、日本の首都圏にあるプロの本拠地球場には天然芝が敷かれているところはありません。それどころか、12個もある球団の本拠地の内、天然芝が敷かれているのはわずかに3つしかないのです(オリックスは現在、スカイマークスタジアムと大阪ドームとの掛け持ちなので、2.5個と言っても良いかもしれない)。

     日本で世界に誇れる球場を作ってほしいものです。少なくとも、首都圏に1つは必要なのではないでしょうか? 特に東京ヤクルトや読売にお願いしたいところです。
  • 2006年04月01日

    エイプリルフールの起源

     エイプリルフールは年に1度、「嘘をついても良い日」という風に言われています。これは本当のことなのでしょうか? 実はその起源を考えると、そうではないと言えそうです。つまり、実は嘘をついてはいけないのです。

     エイプリルフールの起源はルネサンス期のイタリアであると言われています。この時代は、お金持ちが文化人や学者を雇っていろいろと研究・活動をさせていました。そして学者や画家などの他に、道化師(フール)を雇う貴族も多くいました。

     ある年の4月1日、ある有名な貴族(よく覚えていないのですが、確か有名人だったハズ。知ってる人いたら教えてください)が戯れに子飼いの道化師に「今日1日だけ、役割を交代しよう」と持ちかけました。このお遊びがミラノを中心に大流行。次第に国中に広まっていったのだそうです。だから、元々は嘘をつくだとかはまったく縁もゆかりもない、そんなちょっとしたお祭りだったのです。

     それがあるきっかけで世界中に広まってしまいました。この時にある理由で「嘘をつく日」という風に変質してしまったのですが、ちょっと話が長くなるので、興味がある方だけ続きをどうぞ。
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    posted by Yosh at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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