さて太平洋の向こうです。我がシアトルが去年に引き続きボロボロだったことは、もう、忘れましょう。気分を変えて、ポストシーズン(いわゆるリーグ優勝を決めたり、ワールド・チャンピオンを決めたりする、一連の試合のことです)に目を向けたいと思います。地区優勝が続々と出てきて、残り枠があと少しになりました。
ポストシーズンについて、ちょっと説明が必要かも知れません。MLBは日本と違い30チームもあります。そして、アメリカとカナダで行われていることもあり、移動も大変です。ですから、1つのリーグを西・中・東の3つの地区に分けているのです(地区をまたいだ対戦やインターリーグ、いわゆる交流戦もありますが)。順位を競うのは、リーグ内の、しかもこの地区内なのですね。たとえばアメリカン・リーグ西地区は4チームあります。ロサンジェルス・エンジェルズ・オブ・アナハイム、オークランド・アスレティックス、テキサス・レインジャース、シアトル・マリナーズと。この地区ではエンジェルズが優勝しました。それによって、エンジェルズはディビジョン・シリーズと呼ばれる、つまりはリーグ優勝を決定するシリーズに進むことができます。
ディビジョン・シリーズに進めるのは4球団、つまり、各地区の優勝3チームと「ワイルド・カード」と呼ばれる1つの優秀チームです。ワイルド・カードは、地区優勝ができなかったチームのうち、最も高い勝率を得たチームに与えられます。なぜそんな枠があるのかというと、単純に4チーム(偶数)で争う方がやりやすいという事情もあるかと思いますが、MLBの複雑怪奇な日程だと、下手をすると地区優勝チームよりもワイルド・カードのチームの方がかなり強いということが大いにあり得るのです。
実は、今年のナショナル・リーグもそうです。西地区優勝のサンディエゴ・パドレスの勝率は今日の段階でなんと.500ちょうど。方やワイルド・カード争いトップ(いや、もう決まったのかな?)のヒューストン・アストロズの勝率は.547です。ちなみに東地区のチームはすべて勝率5割を越えているなど、単純に勝率で見ればパドレスより強かったのに地区優勝できなかったチームが6つもあるのです。ワイルド・カードが必要な理由がよくわかって頂けるかと思います。
もうすぐ終わる今年の野球シーズンですが、その最後の花火を大いに楽しみたいと思ってます。